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2026/06/10

今年9月、税務署の“目”が変わる-国税庁新システム「KSK2」と医療機関への影響-

1. はじめに

令和8年9月24日、国税庁は国税システムの更改を予定しており、同時期に本格導入が進む次世代システム「KSK2」への移行が注目されています。全国運用開始から約25年を経て、税務行政の基幹インフラが大きく刷新されることとなります。今回は、この変化がクリニック経営にどう影響し得るか、ポイントを整理したいと思います。

2. KSK2で何が変わるのか

現行システムには、税目別・事務系統別のデータベースやアプリケーションがありました。KSK2ではこれらの統合が進み、縦割システムの解消が図られます。併せて、マイナンバーや法人番号を用いた名寄せ、突合、AI・データ分析の活用により、申告内容や各種資料情報の整合性を確認しやすくなると考えられます。

例えば、医療法人の申告内容と、理事長個人の確定申告、役員報酬、法人と個人間の貸付金・借入金などとの関係についても、従来より確認しやすくなる可能性があります。また、国税庁資料によると、調査先等からシステム上の情報を参照するイメージも示されており、調査現場での確認スピードが高まることなどが予想されます。

3. 医療機関における注意すべき一例

医療機関は、保険診療と自由診療があり、窓口収入・未収金・レセプト請求から入金までの流れが税務上の確認項目の一つです。特に窓口での現金の流れなどは従来より調査の対象とされていたこともありますが、今後はこうした調査において、KSK2のもとではデータ上での分析などを介して可視化される可能性も考えられます。たとえ意図的な不正でなくとも、理由がわからない差異などの確認が今後は把握されやすくなる可能性が高まるものと考えられます。

以下に、KSK2導入によって特に確認が強化されると予想されるポイントをまとめました。

税務上の主な確認項目 KSK2導入後の変化(予測)
保険・自由診療の収入と現金管理 データ分析等による可視化と、不明瞭な差異の早期把握
法人と個人の資金移動(貸付・借入等) 番号制度を用いた名寄せ・突合による整合性確認の強化

4. 今からできる備え

大切なのは、「調査が来ても慌てない状態」を日常の延長線上につくっておくことです。レセプトデータと会計帳簿との突合、窓口現金・自由診療などの現金管理フローの明確化、法人・個人間の取引などについて、合理的根拠を記録し、残しておくことなどがその一例と言えます。

システムが高度化するほど、日頃から根拠資料と会計処理の対応関係をきちんと整理している医療機関は、調査時の対応もスムーズに進み、日頃の経営管理にも役立つものと考えられます。これを機にひとつ、これらの体制を見直してみてはいかがでしょうか。


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