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2022/11/21

電子処方箋とは?

1.はじめに

令和5年1月に運用開始が予定されている「電子処方箋」について、ご紹介いたします。


2.電子処方箋とは何?

電子処方箋とは、紙を使用して発行する処方箋を電子的に運用する制度です。処方箋を電子化することで医療機関・薬局間での状況共有をはじめ患者自らが医療情報を管理することができ、過去の薬剤情報を参照することで健康増進への活用にもつながることが期待されています。

また、「オンライン資格確認」というマイナンバーカードを利用し保険証の資格を即時確認できるシステムが既に運用開始されていますが、この電子処方箋もオンライン資格確認システムを拡充して運用されるものです。来年1月から運用開始予定ですので、今のうちから理解していただければと思い、ご紹介させていただきます。


3.電子処方箋の仕組みの概要

電子処方箋の導入には、左記のことが必要となります。

クリニック側で必要なこと

◯オンライン資格確認の基盤を活用した電子処方箋のサーバー設置。
◯電子処方箋の登録。

薬局側で必要なこと

◯患者の本人確認を行い、電子処方箋のサーバーから患者の電子処方箋を取得する。
◯調剤情報を電子処方箋サーバーに登録する。(電子処方箋の情報を活用し、処方情報・調剤情報を他の医療機関・薬局で閲覧することを可能とする仕組みの構築。)

注意点として、処方箋を発行した医師・歯科医師と調剤した薬剤師は、電子化されても処方箋への記名押印又は署名は今まで通り必要なため、電子署名への対応が必要となります。また、フリーアクセス確保のため患者が電子処方箋に対応していない薬局での調剤希望や電子処方箋を希望しない場合は、これまでどおり紙の処方箋を発行することになります。


4.医療機関・薬局にとっての主なメリット

電子処方箋の主なメリットは以下の通りです。

医療機関・薬局の主なメリット

・薬局からの疑義照会や後発品への変更等の調剤結果情報のフィードバックがオンライン上で容易に得られるようになる。
・薬品の相互作用やアレルギー情報の管理等が容易になる。
・処方箋の印刷コスト削減、処方箋の偽造や再利用の防止及び誤送信の防止。
・処方箋の誤入力防止。  
・電子版お薬手帳等との連携により緊急時や災害時でも正確な情報を把握して的確な治療を提供することができる。

患者・家族にとっての主なメリット

・遠隔診療などの際、処方箋原本を電子的に受け取ることができ、自宅近くの薬局で薬を受け取りやすくなる。
・処方箋の紛失の防止。
・実際に調剤された服薬情報の履歴を患者自らが管理できる。
・電子版お薬手帳等との連携により医療機関や薬局を変更した場合でも診療の継続が確保できる。
・薬局での待ち時間短縮。


5.まとめ

基盤となるオンライン資格確認運用施設数は2022年2月27日時点で医療機関・薬局合わせ2万8927施設と全体の12・6%にとどまっておりあまり芳しくありません。また、患者側もマイナンバーカードを持ち、保険証利用登録まで済んでいることが必要になります。マイナポイント事業によりどこまで普及するかが今後の課題になると思われます。



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