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2021/08/24

災害時に活用できる税務上の手続き

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1.はじめに

近年九州地区では地震や集中豪雨などの影響により、多くの事業者の方が災害等の被害に遭われております。令和3年8月における集中豪雨についても、多くの事業者の方々より被害のご報告を頂いております、改めてお見舞い申し上げます。今回は所得税法と法人税法を中心に災害等にあった場合の税法上の取り扱いについてご案内致します。


2.(個人)所得税確定申告における雑損控除

個人におきましては災害等により損失を受けた場合には所得税法の規定による雑損控除の適用を受けることができます。所得税の確定申告書に被災損失額を計算して添付することにより、他の所得金額と相殺することができます。これにより所得税の還付ないし減額を受けることができます。この計算書類において浸水の高さ等により被害割合を算出することになっております。実情としては困難な場合が多いとは思いますが、被害当時の状況を写真に取るなど、資料を残しておくことが税務上有益となります。添付が義務付けられている訳ではありませんが、罹災証明書を取得できれば手続きがスムーズです。家財については家族構成から概算で計算することもできます。


3.(法人)法人税法における災害損失欠損金の繰戻しによる還付

法人においては災害等による損失は特別な手続きを取らずとも会計上損失の額に計上することにより、他の利益と相殺されるため結果的に法人税が減額されます。ただし、当該損失額が災害等があった事業年度の利益と相殺してもなお赤字となる場合には、その赤字額を前期の黒字額と相殺して前期に納付した法人税から還付を受けることができます。この還付を受けるための一連の手続きを欠損金の繰戻し還付と言います。
繰戻し還付は通常の赤字(青色欠損金)にも認められていますが、災害損失欠損金の繰戻し還付は、前期の黒字と相殺してもなお赤字が残る場合には、前々期の黒字額と相殺して前々期に納付した法人税からも還付を受けることができる点で異なります。
イメージとしましては

① 青色欠損金を前期の黒字とぶつける
② 災害損失欠損金を前期の黒字とぶつける
③ なお赤字が残る場合は災害損失欠損金を前々期の黒字とぶつける

といった流れになります(事業年度の月数により上記の取り扱いがことなります)。
還付を請求しようとする法人は一定の事項を記載した還付請求書を所轄税務署長に提出しなければなりません。これらに災害の詳細等を記載する必要がありますので、個人と同様に被害当時の状況を資料に残しておくことが税務上有益となります。また中間申告によって還付を受けることが可能です。


 

4.(法人)災害損失特別勘定

その他にも、災害により被害を受けた棚卸資産、固定資産の修繕費等について、災害のあった日から1年以内に支出する費用を適正に見積もりその見積額を損失引当金として損金経理した場合に、損金の額に算入できる制度があります。このことを災害損失特別勘定と言います。
災害損失特別勘定には被災資産の取壊しや除却費用、損壊を防止するための費用、被害拡大を防止するため緊急に必要な措置を講ずるために費用などが含まれます。また合理的な見積もり方法とは、修繕等を行うことが確実に見込まれる被災資産について、修繕を請け負う建設業者などが作成する見積額等によります。①これらの見積額②被災資産の時価と帳簿簿価の差額、とのいずれか多い金額が繰入限度額となります。
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5.最後に

災害損失特別勘定は、法人税申告書への別表の添付と、損金経理を要件としています。また繰入れた損失額は災害損失欠損金として繰戻し還付の対象となります。保険金等により補填される額を控除する場合控除しなくて良い場合など、複数に渡って高度な税務判断を要します。雑損控除も所得金額によっては所得税法でなく災害減免法による所得税の軽減のほうが有利になる場合があります。申告の際には最もメリットのある手続きを選択する必要がございますので、あわせて専門家へご相談頂くようお願い申し上げます。


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