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2021/08/10

コロナ禍で従業員に見舞金を支給。所得税はどうなる?

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1.はじめに

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収まらない中、従業員へ見舞金の支給を検討されているところもあると思います。
  
今回は、見舞金を支給した際の所得税の取り扱いについてご説明します。


2.コロナ禍における従業員への見舞金の支給と所得税の取り扱い

国税庁の通達により下記の3つの要件を全て満たす場合には、非課税所得になるとされ、受け取った従業員には税金がかからないものとされています。

①その見舞金が心身又は資産に加えられた損害につき支払いを受けるものであること
②その見舞金の支給額が社会通念上相当であること
③その見舞金が役務の対価たる性質を有していないこと

それぞれの要件について詳しくみていきましょう。
①の具体的な事例は下記の通りです。

イ)使用人等又はこれらの親族が新型コロナウイルス感染症に感染したため支払を受けるもの
ロ)緊急事態宣言の下において事業の継続を求められる使用者の使用人等で次のa及びbに該当する者が支払を受けるもの
a.多数の者との接触を余儀なくされる業務など新型コロナウイルス感染症に感染する可能性が高い業務に従事している者
b.緊急事態宣言がされる前と比較して、相当程度心身に負担がかかっていると認められる者
ハ)使用人等又はこれらの親族が新型コロナウイルス感染症に感染するなどしてその所有する資産を廃棄せざるを得なかった場合に支払を受けるもの

②の社会通念上相当であるかどうかについては、医院の慶弔規定等を制定する必要があり、またその過去の取り扱い等と照らし合わせて勘案されます。

③については、感染の可能性の程度に関わらず従業員に一律に支給されるものや、感染の可能性が同程度にも関わらず特定の従業員だけに支給するようなものは認められません。また、例えば、見舞金として支給すれば所得税がかからないのであれば、通常支給する給与や賞与を減額してその分を見舞金として支給するというようなものも認められません。
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いずれの要件を満たしたとしても、緊急事態宣言が解除されてから相当期間を経過して支給の決定がされたものについては、非課税所得とされる見舞金に該当しない場合があることにも注意が必要です。
3つの要件全てに合致し、見舞金として支給する場合には、非課税所得となるので、給与支給の際に天引きしている源泉所得税を徴収する必要はありません。


3.最後に

詳細は上記の通りですが、最終的に見舞金が非課税所得に該当するかどうかは、個々のケースの具体的な内容をみて判断することとなりますので、事前に所轄の税務署か税理士へ相談をされて下さい。


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