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2026/03/12

「子ども・子育て支援金制度」がクリニック経営に与える影響

1.はじめに

2026年(令和8年)4月から新しくスタートする「子ども・子育て支援金」をご存知でしょうか。
一時期は「独身税」と言われて議論を呼んだこの制度ですが、実際は、子どもがいる・いないにかかわらず、医療保険に加入しているすべての方が負担する制度です。クリニック経営の視点で見れば、「人件費」に直結する課題といえます。
今回は、制度の仕組みとおさえておくべきポイントを詳しく解説します。

2.制度の仕組み

「子ども・子育て支援金」は、新たな税金ではなく、現在加入している医療保険(協会けんぽ、医師国保、歯科医師国保など)の保険料に上乗せして徴収されます。
2026年度から開始され、2028年度に向けて段階的に引き上げられる計画です。実務上は、毎月の給与から天引きされる健康保険料等と合算して納付することになります。

3.【概算】月額の負担額はどのくらい?

協会けんぽの場合、標準報酬月額 × 支援金率(2026年度 0.23%、2028年度 0.40%想定)が労使合計の負担金額となります。
そのうち、クリニック側が負担する金額の概算は以下の通り

※加入している保険種別により、医院側の実質負担は変わります。

3.加入の健康保険で異なる事業主負担の違い

自院がどの健康保険に加入しているかによって、支援金の負担ルールが異なります。

協会けんぽ加入(被用者保険)

法律により「労使折半」となるため、スタッフと同額の負担(コスト増)が医院側にも生じます。

医師国保・歯科医師国保加入(国保組合)

現時点で一律の労使折半義務なく、 支援金は加入者(スタッフ本人)が負担するのが原則です。
政府は、社会保障の歳出改革などを通じた社会保険料の負担軽減で、「支援金の実質的な負担ゼロ」を目指すと説明していますが、人件費高騰が続く現場でどこまで相殺されるかは、今後の動向を注視していく必要があります。

4.今後の対応フロー

施行に向けて、実務面では以下の準備を想定しておく必要があります。

給与計算の対応

給与計算ソフトのアップデートや計算式の更新が必要です。2026年4月分から確実に反映できるよう、早めに準備をしておきましょう。

スタッフへの情報共有

手取り額の減少に対し、制度の趣旨を説明しましょう。児童手当の拡充や育休手取り10割化など、ライフステージに応じて還元されるメリットを併せて伝えると効果的です。

5.最後に

事業主としての負担は少なからず発生しますが、この制度によって従業員の仕事と子育ての両立がさらにしやすくなることは間違いありません。
スタッフが安心して長く働ける環境づくりは、結果として人材の定着やクリニックの安定経営、そして次世代の未来をつくることにも繋がります。より良い職場環境への一歩として、2026年のスタートに向けた準備を進めてみてはいかがでしょうか。

【外部リンク:詳細情報】
こども家庭庁:子ども・子育て支援金制度について
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido


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