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2026/06/01

院長先生の相続対策は“早すぎる”くらいがちょうどいい

1.はじめに

相続対策というと、不動産や預金、生命保険を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、医療法人を経営されている院長先生の場合、忘れてはいけない財産があります。それが「医療法人の出資持分」です。普段の診療や経営の中ではあまり意識する機会がありませんが、相続や承継の場面では大きな問題になることがあります。
 

2.出資持分の性質と相続時のリスク

出資持分とは、医療法人に出資した人が持つ財産的な権利です。株式会社の株式のように自由に売買するものではありませんが、相続税の計算上は財産として評価されることがあります。特に、長年安定して経営を続けている医療法人では、法人内に利益が蓄積され、預金や建物、医療機器、内部留保などが増えていきます。その結果、設立時の出資額は少額でも、相続時の評価額が想像以上に大きくなることがあります。

問題は、出資持分が預金のようにすぐ現金化できるとは限らない点です。相続税は発生する一方で、納税資金が不足するという事態も起こり得ます。また、後継者以外の相続人に持分が分散すると、将来の法人運営や払戻し請求、親族間のトラブルにつながる可能性もあります。
 

3.自院の出資持分を確認する方法

自院が出資持分あり医療法人かどうかを手っ取り早く確認するには、まず決算書の貸借対照表を見てみましょう。純資産の部に「出資金」という科目があれば、出資持分あり医療法人である可能性が高いと考えられます。一方、「基金」と記載されている場合は、出資持分とは異なり、持分なし医療法人である可能性があります。ただし、最終的には定款を確認し、退社時の払戻しや解散時の残余財産分配に関する記載があるかを確認することが大切です。
 

4.役員借入金にも要注意

また、貸借対照表を見る際には、負債の部にある「役員借入金」にも注意が必要です。役員借入金は、法人側から見ると院長先生などの役員から借りているお金ですが、院長先生側から見ると法人に対する貸付金です。そのため、院長先生に相続が発生した場合には、この貸付金も相続財産になります。法人の資金繰りの都合で長年返済されないまま残っている場合、思いのほか大きな金額になっていることもあります。
 

5.早めの対策と現状把握を

出資持分や役員借入金の問題は、相続が近づいてから慌てて考えるものではありません。評価額や残高が大きくなる前、親族関係が安定しているうち、そして院長先生ご自身が判断できるうちに整理しておくことが重要です。

まずは決算書と定款を確認し、自院の状況を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。


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