お問い合わせ
                 
クリニック経営ナビは、医科(病院・クリニック)・歯科専門の税理士による情報サイト
メニュー
閉じる
2026/05/14

小規模クリニックの週44時間特例が廃止へ

1. はじめに

現在の労働基準法では、法定労働時間は「1日8時間、週40時間」が原則です。しかし、医療業(保健衛生業)などの特定の業種で、かつ「常時10人未満の労働者」を使用する事業場については、特例として週44時間まで労働させることが認められています。
この特例を利用して、月曜日から金曜日までは8時間勤務、土曜日は4時間勤務といったシフトを組んでいる小規模クリニックも多いのではないでしょうか。

商業 接客娯楽業
映画・演劇業 映画の映写、演劇、その他興業の事業
保健衛生業 病院、診療所、社会福祉施設、浴場業、その他の保健衛生業
接客娯楽業 旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業

これまで小規模クリニックの運営を支えてきた特例制度ですが、2026年の通常国会での法案提出は見送られたものの、今後の労働基準法改正において、この特例が廃止される方向で議論が進んでいますので、今のうちから内容を把握し、対策を練っておきましょう。
今回は、小規模クリニックに影響が大きい「週44時間特例措置の廃止」についてお伝えします。

2. なぜ廃止が検討されているのか?

厚生労働省の調査によると、この特例対象となる事業場の約87%が、実際にはすでに週40時間以内で運用しているという実態が明らかになりました。「すでに制度としての役割を終えつつある」との判断に加え、働き方改革の一環として「どの業種・規模でも週40時間を標準とする」という公平性の観点から、今回の撤廃案が浮上しています。

3. 医療機関への具体的な影響

特例が廃止され、週40時間に統一された場合、以下のような影響が予想されます。

① 残業代の増加

週44時間ギリギリでシフトを組んでいた場合、超過した4時間分が「法定外残業」となり、25%以上の割増賃金が発生します。40時間を超えている場合、そのままの勤務時間だと残業代がどれくらい増えるかを試算しておく必要があります。

② シフト表の全面見直し

1日8時間勤務の場合、週5日勤務(計40時間)が上限となります。土曜診療がある場合、平日のどこかを半休にする、あるいは交代制を導入するなどの工夫が必要になります。診療時間の変更や、交代制を導入するための人員確保には、早めの準備が必要です。

4. 終わりに

近年の求人のトレンドは、「年間休日数が多い」、「勤務時間や曜日がライフスタイルに合わせやすい」といった働きやすさが重視され、給与額を相場より高く設定していても、休みが少なかったり、勤務時間が長かったりすることで求人に苦戦されているクリニックが多く見られます。
「週40時間制」への移行は、人材確保の面でも重要です。「より働きやすい職場環境へのアップデート」と前向きに捉えて、準備を進めていきましょう。
勤務時間や給与設定、就業規則の見直しは、社会保険労務士法人かぜよみへご相談ください。


カテゴリー
キーワード
メール相談
メール相談
ページトップへ