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2026/02/03

令和8年度税制改正大綱:暗号資産「申告分離課税化」の衝撃

1.はじめに

2025年12月19日に明らかとなった「令和8年度税制改正大綱」。その中でも、国内の投資家たちが長年待ち望んだ「暗号資産の申告分離課税化」の明記は、日本のデジタル資産市場における転換点といえます。今回はその詳細と実務的な影響を解説します。

2.本改正の概要

本改正は2028年1月からの適用が有力視されておりますが、金融商品取引法(金商法)の改正とセットで実施されます。
・税率の一律化:総合課税(最大55%)から一律20.315%へ。
・損失繰越の解禁:3年間の繰越控除が可能に。
・戦略的転換:申告分離へ移行前の「含み損・含み益」の取り扱いが命運を分ける。

3.税制改正の骨子:何がどう変わるのか?

今回の改正により、暗号資産は「ギャンブルに近い雑所得」という扱いから、株式やFXと並ぶ「正式な金融投資商品」へと格上げされます。

※投資家保護の観点から全ての暗号資産が分離課税の対象となるのではなく、金商法上の登録業者が扱う「ホワイトリスト銘柄」に限定される見込みです。海外の未登録業者での取引は、引き続き総合課税の対象となるリスクがあるため注意が必要です。

4.制度移行に向けて

申告分離課税制度への移行にあたり、2026~2027年は準備の年となります。戦略のミスは大きな損失に直結します。

① 「損出し」は制度移行日まで待て

現行制度において、確定させた損失は切り捨てられ、翌年以降へ繰越ができません。含み損を抱えている場合、あえて制度移行後に売却することで、翌年以降3年間の利益と相殺できる「繰越控除」の権利を獲得できます。

② 「益出し」の先送り

多額の含み益がある場合、現行制度においては最大55%の税金がかかります。制度移行後までホールドできれば、税率は20.315%まで圧縮可能です。

③ 国内口座への資産移動

分離課税の適用には「登録業者(国内取引所等)」での取引が条件となる可能性が高いです。海外取引所に資産を分散させている方は、国内口座への資産移動を検討する必要があります。

※上記の内容は他の所得の有無について考慮しておりませんので総合的な判断が必要となります。詳しくは顧問税理士へお問い合わせください。

5.最後に

今回の改正は、日本のデジタル資産市場において長年、最大の壁とされてきた税制の問題が解消されることを意味します。暗号資産が正式な金融投資商品として格上げされ、市場が活性化されることに期待したいと思います。

【ご留意事項】
本稿は「令和8年度税制改正大綱」に基づいた一般的な情報提供を目的としています。今後、国会で審議される法案の内容によっては、記載した内容と異なる税制が制定される可能性がある点にご留意ください。


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