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2023/11/21

知っておきたい相続時精算課税制度

1.はじめに

贈与税は相続税の補完税であり、相続税の租税回避を防止する目的があるため、税率が高く設定されています。しかし近年は、国民の高齢化に伴い、相続による財産の移転が遅くなっていますので、早く財産を次の世代に移転させ経済を活性化させるため相続時精算課税制度というものがつくられました。本日は相続時精算課税制度について皆様に知っておいていただきたいポイントを分かりやすく解説します。

 

2.相続時精算課税制度の概要

贈与税の計算では、暦年課税制度と相続時精算課税制度がありますが、相続時精算課税制度とは、名前の通り、生前に贈与を受けた財産は、相続が発生した場合に、相続財産の中に含めることにより、相続税の計算において精算をするということです。相続財産に含める金額は、贈与した時の金額(基礎控除後)となります。
また、贈与財産の種類についての制限はありません。相続時精算課税制度の適用を受けた者は、相続又は遺贈により財産を取得していなくても、相続税の申告が必要となります。

 

3.相続時精算課税の計算

相続時精算課税制度を適用した場合は、令和6年以後の贈与については、特別控除2,500万円に加え、基礎控除110万円が創設されることになりました。特別控除の2,500万円というのは、基礎控除110万円を控除した後の金額で、2,500万円に達するまで、何回でも使えます。

一方、基礎控除は、毎年使えます。例えば、贈与を受けた年の基礎控除後の金額が1,000万円の場合、翌年以降、1,500万円までは、特別控除の枠が残っていることになります。税額の計算は、基礎控除、特別控除後の金額に一律20%の税率を乗じた金額となります。

 

4.適用要件

贈与者 
その年1月1日において60歳以上 の者
受贈者 
その年1月1日において18歳以上の者であり、贈与者の直系卑属である推定相続人か贈与者の孫

ここで注意しておかなければならないのは、相続時精算課税制度の適用を受けようとする場合は、贈与税の申告期限までに相続時精算課税制度選択届出書を提出していることも適用要件になっています。税額が出ないからといって、提出を怠ると、暦年課税による計算になります。また、相続時精算課税制度の届出書を提出してしまったら、撤回することはできません。

 

5.相続時精算課税制度の特別控除と基礎控除

相続時精算課税制度は、贈与者ごとに適用を受けることができます。例えば、父から2,500万円、母から2,500万円の贈与を受けた場合、父、母のそれぞれで特別控除2,500万円の適用を受けることができます。
しかし、基礎控除については、それぞれの贈与者ごとに控除することはできません。

基礎控除は、暦年贈与でも同じですが、その年に贈与を受けた合計金額から控除するものなので、相続時精算課税制度での基礎控除は、贈与者が複数人いる場合は、それぞれの贈与者から贈与を受けた財産の価額で按分することになります。

上記の例では、
父からの分の基礎控除は110万円✕2,500万円÷(2,500万円+2,500万円)=55万円
母からの分も同様の計算となり55万円

となり、特別控除の枠は、まだ、父、母それぞれ55万円残っていることになります。暦年課税制度と相続時精算課税制度の両方がある場合は、それぞれで基礎控除の適用ができます。

 

6.おわりに

相続時精算課税制度を利用すると贈与税を抑えることができます。将来、値上がりするようなものの贈与や相続が発生しても相続税がかからないような場合には、有効な手段と考えられますが、適用を受ける場合は、よく検討し、顧問の税理士と相談のうえ、実行されてください。

 


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