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2022/05/26

相続の場面で生命保険金が活用できる理由

生命保険,相続

1.はじめに

個人事業の先生でも医療法人の先生でも、節税対策や将来の保障のため生命保険に加入していらっしゃる方は多いと思います。
実はこの生命保険金、相続の場面でも非常に助けになることがあります。本日は、相続の場面で生命保険が活用できる理由というテーマでお届けします。


2.なぜ死亡保険金は相続の場面でも助けになるのか?

まず、相続、遺産分割、課税の視点から見た「生命保険金」にはこのような大きな特徴があります。

① 相続放棄しても生命保険金はもらえる
② 遺産分割の対象にならない
③[500万円×法定相続人の数]の額まで相続税が非課税

相続放棄しても死亡保険金はもらえる

中には多額の負債を残して亡くなる方や、相続人の中には相続した負債を弁済するだけの資力が不安な方もいます。相続したプラスの財産では弁済出来ないほどの負債がある場合は、相続放棄をしたほうが良いケースがあります。相続放棄をすると、その相続に関して初めから相続人でなかったものとみなされます。すると、その亡くなった方(被相続人)に係る全ての財産と全ての債務を相続しないことになりますので、欲しい財産も欲しくない財産もすべて承継しなくなります。

しかし、死亡保険金は受取人が保険契約に基づいて受け取るものであるため、相続財産ではなく受取人の固有財産として判断されます。つまり、相続財産ではなく受取人の直接の財産ですので、相続放棄に関係なく保険金を受け取ることができます。

遺産分割協議の対象にならない

死亡保険金は受取人の固有財産のため、遺産分割協議の対象になりません。相続人同士の仲が悪く遺産分割で揉める場合や、隠し子など予期せぬ相続人がいる場合にも、指定した受取人に自動的にいきますので、トラブルを未然に防げます。これが預金や不動産ですと、全く面識のない隠し子に相続されたり、遺産分割の話し合いが進まないまま何年も財産が凍結されたりしてしまいます。したがって、生前に預金の一部を生命保険契約にしておくことで渡したい相手に確実にキャッシュを渡せます。

遺留分の問題に関しても、基本的には遺留分の算定計算に生命保険金は算入させません。(その生命保険金の額が過度に多額で明らかに相続人間で不公平になるような場合は稀に問題になります。)


3.保険金が非課税になる限度はどこまで?

[500万円×法定相続人の数]の額まで相続税が非課税になります。

被保険者=保険契約者:被相続人
受取人:相続人

この契約形態の場合、被保険者が死亡したことにより相続人が受け取る保険金のうち、500万円×法定相続人の数までの金額は相続税が課税されません。

具体例

相続人:妻、子供2人 計3人
受け取った保険金額
妻:2,000万円
子1:1,000万円
子2:0円
非課税限度額:500万円×法定相続人3人
=1,500万円

(非課税額)
1500万円(非課税限度額)×2,000万円(その相続人の受取額)/3,000万円(相続人全員の受取額合計)
=1,000万円
(課税される金額)
2,000万円-1000万円=1,000万円

子1

(非課税額)
1,500万円×1,000万円/3,000万円=500万円
(課税される金額)
1,000万円-500万円=500万円

子2

(非課税額)
1500万円×0円/3,000万円=0円
(課税される金額)
0円-0円=0円

なお、非課税が使えるのは“相続人”に限られています。つまり、受け取った人が相続人ではない孫や、相続放棄した人の場合は相続人ではないので、その人に関しては非課税が使えず受け取った保険金に相続税が課税されます。


4.まとめ

生命保険は相続の際にも大きな助けになり得ます。被相続人の親族関係や負債の状況によっては加入しているか否か、契約形態が間違っていないか等で大きな違いが出る可能性があります。生前のうちに準備をしておきましょう。



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