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2023/01/11

勤務医時代には知らなかった、開業医が納める税金の種類

1.はじめに

開業された先生から、「税金ってこんなに種類があるんですか!?」と驚かれたことがあります。開業をお考えの先生は、事前の予備知識として知っておかれて損はありませんので、開業医(個人事業)とかかわりの深い税金で主なものについて本日はご紹介したいと思います。


2.開業医が納める税金の種類

所得税(国税)

勤務医でも所得税はかかりますが、厳密に言うと所得の種類が違います。勤務医の場合は給与や賞与の収入から、一定の給与所得控除を差し引いた「給与所得」に対して課税されますが、開業医の場合は、医院の収入(売上)から経費を差し引いた儲け(事業所得)に対して課税されます。事業所得の計算は複雑なため、開業に際して税理士に税務を依頼される方がほとんどです。
また、従業員の所得税は、事業主が支払う給与から天引きして、事業主が納付を行います(源泉徴収制度)。

住民税(地方税)

所得税と同様、勤務医と開業医の両方にかかる税金です。ただし勤務医の場合は病院(給与の支払者)が給与から天引きして自動的に納付を行ってくれる(特別徴収)ことがほとんどですが、開業医の場合は自ら納付を行うことになります(普通徴収)。また、この特別徴収という制度により、開業医は自ら雇用する従業員の住民税についても、代理納付を行うことになります。

消費税(国税)

世の中の様々な取引きに対して消費税は課税され、消費者は代金と一緒に消費税を支払う一方、事業者は消費者から預かった消費税を国に納めなければなりません。ただし、保険診療は消費税の非課税取引とされているため、自由診療をほとんど行っていないクリニックにおいては、消費税の納税義務が免除されていることも多々あります。開業後一定期間は納税義務がなかったものの、しばらくしてから納税義務が生じるケースも少なくありませんので、自院の課税ポジションについては税理士等に確認をしておきましょう。

不動産取得税(地方税)

土地や建物を購入した場合にかかります(購入時に一度だけ)。

固定資産税、償却資産税(地方税)

固定資産税は自ら所有する不動産に対して課税されます。一方、償却資産税は事業者が所有する10万円以上の医療機器や備品(一括償却資産として会計処理したものを除く)に対して課税されます。勤務医であれば10万円のPCを買っても償却資産税はかかりませんが、開業医の場合はかかります(税率は1.4%~)。※車には償却資産税がかかりません。
また、固定資産税と償却資産税は、その年の1月1日の所有者に対して毎年課税されます。1月や2月に開業予定の先生は、建物の引き渡しや医療機器の納品を1月1日までに行うのか、1月2日以降に行うかで、1年分の納税に影響が出ます。

個人事業税(地方税)

文字通り、事業所得に対して課税されますので、勤務医にはほぼ無縁の税金です。ただし免税点が存在し、保険診療による所得が非課税であることから、開業医の場合でも必ずかかるわけではありません。


3.最後に

上記とは別に、社会保険を適用している事業では、健康保険料や年金保険料の納付があります。これだけ色々な税金があると、「税金を支払うために働く」という感覚にもなるかもしれませんが、納税は経費の一部に過ぎず、実際は開業して所得(手取り)が増えたという先生がほとんどです。ただ一つだけ注意点があるとすれば、ほとんどのケースで納税は後から発生しますので、儲かった時や、不動産を購入した時は、納税資金のことも考えておきましょう。



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