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2023/01/06

令和6年4月から相続登記の義務化でどう変わる?

1.なぜ今、義務になるのか?

これまで、不動産の所有者が亡くなった後、その相続人へと名義を変更する登記がされていないために、誰が所有者なのか?がわからなくなっている土地が日本全国で増えて社会問題となっています。その土地の広さは、九州の面積ほどとも言われています。
実際に、所有者が不明であるために固定資産税が納税されていなかったり、道路整備が必要な場合に所有者不明土地があるために、道路拡張が進まないなど、誰が不動産の所有者であるか?を登記することは、個人の資産の問題だけにとどまらず、社会全体のために必要だということで、相続登記は義務とするルール変更がなされることになりました。


2.相続登記をするメリット、デメリットとは?

メリット

  相続登記を行えば、不動産の所有関係を明確にすることができ、すぐに不動産の売却や不動産を担保にお金を借りることもできます。

デメリット

・相続登記をしないまま放置している間に、新たな相続が発生するとさらに相続人が増えて権利関係が複雑になり、子や孫の世代まで負担を負わせる可能聖があります。
・相続登記が終わるまでは、不動産の権利関係が確定できないため、売却などがすぐに出来ない場合もあります。
・災害が発生した場合に、所有者が特定出来ず復旧作業の妨げになるなどの問題がでてきます。
・遺産分割後、相続登記をせずに放置すると、所有者でない相続人の関係者が、法定相続の登記をして、場合によってはその相続人債権者が差し押さえをするリスクも!?


3.相続人で遺産分割協議ができない場合にどうなる?

固定資産税は誰が払う?

不動産の固定資産税の納税義務者は、その年の1月1日現在の所有者として固定資産台帳に登録されている人と定められています。
その年の途中で所有者が亡くなった場合は、その年の分はその所有者(被相続人)になります。亡くなった所有者がその年の分の固定資産税を納付済みであれば問題ありませんが、未納付の場合はその納付義務は、遺産分割協議によって不動産の相続人が確定するまでは、相続人全員がその相続分に応じて納付義務を負うことになります。

実際の運用としては、不動産の所有者(固定資産の納税者)の死亡届けが出されると、市区町村の固定資産税課から「固定資産の納税をする便宜上の代表者」を届け出るように相続人のもとに通知がされているようです。

これは、「遺産分割協議など相続手続きが終わるまでの間の代表として連絡先窓口となる」、「相続人を登録することで固定資産税の納税や様々な不動産に関する連絡の窓口を確保すること」を目的としているようです。
この通知が来る相続人は、相続人の全員ではなく被相続人と同居の相続人や不動産の所在する市区町村に住所がある相続人などを優先的に送付しているようです。
もし、この相続人代表者が不動産の相続人が確定するまでの間に固定資産税や不動産の維持管理にかかる費用を立て替えた場合は、不動産の相続人となった者と立て替えた金銭を清算することになります。

税金の控除が使えない?

相続税の申告が必要な場合その申告期限は、被相続人の死亡から10ヶ月です。その間に相続人で遺産分割協議を行い、被相続人の遺産をどう分けるか?を決めるのですが、期間内のこの話し合いがまとまらないケースもあります。
その場合は、未分割のまま法定相続分で暫定的に相続税の申告を行うことになりますが、相続税の申告において税控除の特例が使えないこともありますので、注意が必要です。(後日、適用される項目もあります)


4.相続登記の義務化とは?

3年以内のルール

令和6年4月にスタートする相続登記の義務化のルールについては、相続が開始して不動産を取得したことを知ってから3年以内のルールが適用されます。
・令和6年4月以降に発生した相続については、被相続人の死亡から3年以内の相続登記
・令和6年4月以前に発生した相続については、令和6年4月から3年以内の相続登記

対象者

・相続(遺産分割協議等)により不動産を取得した相続人
・遺言で「特定の不動産を相続させる」とされ不動産を取得した相続人
(相続人以外への遺贈には適用されません)
・遺贈により不動産を取得した相続人

義務違反は、10万円以下の過料も

・過料の対象範囲は、「正当な理由」がないのも相続登記申請義務に違反した場合
・「正当な理由」例

①何代にもわたり相続が発生して相続人が多数で戸籍調査の資料収集や他の相続人の把握など時間を要するケース
②遺言の有効性や遺産の範囲などが争われているケース
③相続人自身に重病当の事情がある場合など


5.「相続人申告登記」をしておきましょう

相続人申告登記制度とは、相続登記とは異なる新たな制度で、不動産の所有者の相続人が自分が不動産の所有者の相続人であることを法務局に申し出て、登記官の職権で①不動産の所有者に相続が発生したこと②相続人の住所氏名を登記簿に登記する制度です。
この登記を申請することで、申請をした相続人は、相続登記の義務を履行したことになり、過料を科されることはなくなります。この申請は、他の相続人の関与は必要とせず、相続人単独で申請が可能です。

但し、この登記は所有者が確定するまでに相続人を登記する暫定的登であり、登記された相続人が不動産を処分したり、担保を設定したり所有者としての権利を行使することはできません。
ですので、遺産分割協議が整い、相続が確定場合には、相続(遺贈)により所有権移転登記をしなければなりません。



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