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2023/07/12

医療法人設立に伴うデメリットを克服する方法

1.はじめに

医療法人設立に関するメリット・デメリットについては当コラムにおいても何度か取り上げております。「デメリットもある」と聞くと法人化に慎重になりそうなものですが、対策をしっかり行えば、デメリットはかなり抑えることができます。今回はその一例をご紹介いたします。


2.医療法人化のデメリットを克服する方法5選

デメリット1:残余財産の取り扱い

持ち分なし医療法人(現在設立できるタイプの医療法人)の、解散時の残余財産は国・地方公共団体等に帰属させなければなりません。一般の株式会社や持ち分ありの医療法人では、出資割合に応じて残余財産の分配を受けることができますが、持ち分なしの医療法人ではそれができません。
しかしながら、毎期の収入予測を立て、設備投資や人件費、その他諸経費についてもしっかりと計画を立て、長期的には役員退職金制度等も整備を行っていけば、結果的に医療法人に過剰な利益剰余金が残るような事態にはなりません。そのためには、精度の高い事業計画が必要です。

デメリット2:社会保険料の増加

個人事業で社会保険に未加入だった場合は、法人化することで社会保険が強制加入となり、社会保険料の負担が増えてしまいます。しかし、健康保険に関しては、医師国保・歯科医師国保を活用すれば、法人の負担が増えることはありません。
ただし、最近では医療業界における人材不足が深刻となっており、社会保険に加入する義務のない個人診療所が、福利厚生を目的として敢えて社会保険に加入するケースも増えています。社会保険の適用が、人材確保のための必要経費と化している状況を考えると、社会保険料の増加は必ずしも医療法人化のデメリットではないのかもしれません。
また、給与と賞与の配分を見直すことで、社会保険料が減ることがあります。これは、給与水準の高い方や、医師国保・歯科医師国保を活用できない非会員の先生方には特にその効果が大きくなる傾向にあります。法人の役員でも、所定の手続きを行っていれば賞与をもらうことはできます。

デメリット3:決算届、行政手続き

こちらは個人診療所にはない制度ですので、残念ながらデメリットとなってしまいます。ただし、決算内容の全てを届け出るわけではなく、収入、経費の合計額、財務内容のサマリー等限られた情報等のみを提出しますので、役員報酬の額などが外部に漏れることはありません。法務局への登記も毎年必要ですが、司法書士に依頼すれば手続きを代行してくれます。

デメリット4:法人と家計の分離

個人事業であれば通帳のお金はいくらでも使うことができましたが、法人では毎年決められた役員報酬をもらい、その範囲でしかお金を使うことができません。しかしながら言い換えると、法人化することで毎月の使用可能な家計費が明確になり、個人事業のように必要以上に事業資金を使ってしまうリスクはありません。この場合でも、先に述べたような精度の高い事業計画があることで、法人と個人へ適切な資金の振り分けが可能となります。

デメリット5:基金の拠出

医療法人を設立する場合は、運転資金2ヶ月分の基金を拠出する必要があります。これは一般の法人での「資本金」にあたるものですが、基金の額を上回る利益剰余金を確保するなど一定の条件を満たした場合には、返還してもらうことができます


3.まとめ

いかがでしたでしょうか。
デメリットを最小化する医療法人の運営においては、「計画性」が最も重要となります。税理士法人アップパートナーズでは、法人化計画や事業計画についての相談に対応しておりますので、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。



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