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2022/04/14

インボイス制度とMS法人への影響

クリニック,病院,不動産

1.はじめに

令和5年10月よりインボイス制度がスタートします。インボイス制度がスタートすると適格請求書と呼ばれる一定の要件を満たす請求書等を保存することが必要となります。この一定の要件を満たす請求書等のことをインボイスと言います。
本日は、消費税の計算の仕組み、インボイス制度導入後のMS法人の活用等について解説したいと思います。


2.現在における消費税の計算方法

現在(インボイス制度の導入前)における消費税の原則的計算方法は、売上にかかる消費税から仕入にかかる消費税を控除して、その差額となる差引納付税額を納付するという仕組みになっています。仕入にかかる消費税を控除することを仕入税額控除と言います。仕入税額控除には要件があり、要件として帳簿及び請求書等(レシートや領収書)の保存が必要となります。端的に言うと、消費税の計算上経費として認められるためにはレシートなどの資料を保管しておく必要がある、ということになります。


3.インボイス制度導入後の消費税の計算方法

現在においては消費税の計算上経費として認められるためには請求書等を保存しておけば要件を充足しますが、インボイス制度がスタートすると通常のレシートや領収書といった請求書等ではなく一定の要件を満たした適格請求書(インボイス)の保存が要件となります。
請求書等(レシートや領収書)を発行することに制限はありませんので、個人であれ、免税事業者であれ自由にレシートや領収書を発行することができます。そして現在はこれらを保存しておけば仕入税額控除を受けることができます。

しかし、適格請求書(インボイス)は現在の請求書等のように誰でも自由に発行できるわけではありません。インボイスを発行するためには適格請求書発行事業者として税務署から登録を受ける必要があります。つまり、令和5年10月以降は、消費税の計算上経費として認められるためには適格請求書等発行事業者が交付したインボイスを保管しておくが必要、ということになります。

※適格請求書発行事業者の登録は、消費税の課税事業者でなければ申請することができません(免税事業者が登録を受けたい場合には課税事業者の選択をする必要があります)。事業を営んでいない個人についても申請することができません。


4.MS法人への影響

インボイス制度が開始されると、適格請求書発行事業者が交付したインボイスでなければ消費税の計算上経費に算入することができません。MS法人の活用としてクリニックの建物を保有させるというケースがあると思います。現在であれば院長先生個人からMS法人がクリニック建物を購入した場合、院長先生が発行する請求書等で仕入税額控除を受けることができます(仕入税額控除が多額になる場合は消費税還付)。

しかし、インボイス制度がスタートすると院長先生個人は適格請求書等発行事業者ではないため、インボイスを交付することはできず仕入税額控除(消費税還付)を受けることができなくなります。
実際には、インボイスの導入当初は請求書等(レシートや領収書)でも経過措置として 8割の控除が認められます。その後徐々に控除が制限されていきます。

令和5年10月以降直ちに仕入税額控除が0となるわけではありませんが、MS法人への資産の集約等を検討されている場合には、令和5年9月までに実行されることをおすすめ致します。詳しくは税務担当者へご相談下さい。

【アップパートナーズグループYouTube 経営力向上チャンネル】
▼うちは?取引業者は?インボイス制度開始前に確認すべきこと




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