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2022/11/15

中小企業を対象に月60時間以上の時間外労働割増率が引き上げになります!

1.はじめに

2019年に施行された「働き方改革関連法」によって、2023年4月1日から、中小企業を対象に月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上に引き上げられます。
大企業については、2010年4月から適用となっておりましたが、中小企業の場合は経営に与える影響の大きさから、適用猶予となっておりました。
ところが、適用猶予期間が終了するのが、2023年3月までとなり、同年4月以降は月60時間超の時間外労働は、割増賃金として50%以上の割増率で支給しないといけなくなります。
本日は、「月60時間以上の時間外労働の割増率引き上げ」についてご説明いたします。

2.何が変わるのか?

具体的な変更内容を説明します。
月60時間の時間外労働時間を計算するにあたり、月の何日を起算するのかについては、法律で限定されておりません。
ただ、賃金計算期間の初日とすることが多いです。賃金計算期間の初日とは別に日を起算日にしてしまうと、時間外労働が60時間の超過時間が何時間あるかを集計するために、前回の賃金計算期間を参照する必要があるため、給与計算業務が非常に煩雑となります。
そのため、月60時間超の時間外労働が深夜の時間帯に労働した場合は、深夜割増賃金率25%以上と時間外割増賃金率50%を合計した75%以上の割増賃金が必要となります。

今度は、法定の休日に労働した場合についてはどうでしょうか。
法定休日労働は、割増賃金率として35%以上を支給しないといけません。
ただ、割増賃金率50%以上の支払いが必要な時間外労働60時間超の時間は、法定休日の労働時間を含みません。
そのため、時間外労働が60時間超の場合は、法定休日の割増率の方が低くなり、支払わないといけない賃金が少なくなることを意味します。
なお、法定休日の場合の労働時間のみが除かれるため、法定外の休日に関しては、同週で週40時間を労働している場合は、60時間超の時間に含まれる通常の時間外労働となりますので、注意が必要です。

3.適用猶予の終了前に確認しておくこと

現状の時間外労働の把握

特に時間外労働が多い事業所にとっては、人件費の増大が最も懸念される事項です。
そのため、自社の労働者の就業状況を確認し、どの程度の影響を受けるのかを把握しておく必要があります。

時間外労働の削減への取り組み

長時間労働は、人件費の問題もありますが、労働者の健康管理の観点からも重大な意味を持ちます。
一般的な労災と認められる時間外労働として、月80時間以上は危険信号と言われており、削減に向けた取り組みが必要と考えます。

就業規則の改定

10人以上いる事業所は、就業規則を作成、届出する法律上の義務を負っております。
また、就業規則の記載事項として、「賃金の決定、計算及び支払の方法」は法律の内容を具備していないと指導の対象となるため、適用猶予が終了する前までには、就業規則の改定が必要となります。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?
中小企業が適用されるまでは、まだ期間がありますので、それまでに事前に対応できることは行ってもらいたいと思います。


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