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2022/11/02

副業を解禁するメリット・デメリットとは?

1.はじめに

日本では長きに渡り副業禁止のルールが定着していましたが、近年は働き方の多様化が進み、また国が推進している事もあって副業を認める事業所も徐々に増えてきています。
雇用する側のメリットとしては、労働力の確保や従業員のスキルアップに繋がる事が期待される一方、デメリットとして長時間労働による本業への支障、従業員の労働時間の管理、健康管理、情報漏洩等が問題点として挙げられています。

従業員側から見ると、収入を増やすという意味ではメリットのある働き方と言えそうですが、労働基準法では1日8時間、1週間40時間までという労働時間の制限が定められており、これを超える場合は副業であっても賃金の計算方法が変わってきます。
そのため、院の方針で副業OKとなっている医院では、従業員の労働時間について自院だけではなく、副業先での労働時間についても把握する事が求められる事になります。

今回は、上記のメリット・デメリットを踏まえ、本業と副業で可能な労働時間や割増賃金、副業する事によって労働時間が増える際に注意する点について見ていきます。



2. 本業と副業で可能な労働時間

冒頭でも説明しましたが、労働基準法では労働者は原則として休憩時間を除き、1日8時間、あるいは1週間に40時間までしか働けないことになっています。
この規定は本業と副業先各々の労働時間の制限ではない点に注意が必要です。
労働基準法では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定められており、本業と副業先の労働時間を合算して「1日8時間、1週間で40時間」という労働時間の制限に変わりはないことを定めています。

たとえば、本業で1日8時間労働を週5日行う場合、週の労働時間は40時間に達するため、他で副業を行うと労働基準法で定められた法定労働時間(週40時間)をオーバーする事になります。
労働基準法に違反して、従業員に法定労働時間を超えた労働に従事させた場合、使用者は6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科される恐れがある他、労働基準監督署から是正勧告等を受ける可能性もあります。

このようなリスクを回避する為、あらかじめ使用者と労働者の代表との間で労働基準法第36条で定めた協定(36(サブロク)協定)を締結していれば、法定労働時間を超えて、1ヵ月45時間、1年360時間を上限とする時間外労働に従事させることが可能となります。
従業員に1日8時間、週40時間を超える労働に従事させる場合には、あらかじめ36協定を締結し、法定労働時間を超える時間外労働について労使間で合意をしておく必要があります。


3. 副業時の割増賃金

あらかじめ36協定を締結していれば、従業員を時間外労働に従事させることが可能となりますが、その場合、別途割増賃金を計算して支払う必要があります。

(例)
副業時の割増賃金=1時間あたりの賃金×1.25(二割五分)×法定外労働時間

副業時の割増賃金について、原則として後から雇用契約を締結した事業所が支払うことになります。すでに他の事業場で働いている人を採用するという事は、法定労働時間を超える可能性があると知ったうえで雇用する事になりますので、後から雇用契約を締結する事業所が割増賃金を支払う義務が生じます。


4. 副業での労働時間等の管理

ダブルワークは心身にかかる負担が大きく、人によっては過労による健康障害リスクなども起こり得るため、副業している従業員から副業先での労働時間等を申告してもらい、長時間労働にならないように管理をしていく事が重要です。

副業を認める場合、副業先について確認すべきポイント

・事業内容
・従事する仕事の内容
・雇用契約締結日、契約期間
・所定労働日、所定労働時間、始業・終業時間
・所定外労働時間の有無、見込み時間、最大時間数
・実労働時間の報告方法、報告頻度


5.まとめ

これまで述べてきたように、それぞれメリット・デメリットがありますが、副業制度を上手く活用して優秀な人材の確保や、流出防止、外部から新たな知識・情報や人脈を入れる事による差別化、事業の拡大へ繋げる転機となる可能性もあります。
また、労働時間管理の問題や情報漏洩等に対する対策をしておく事でリスクを回避する事も重要ですので、副業制度の導入を検討されていらっしゃいましたら、アップパートナーズグループの社労士にお気軽にご相談頂ければ幸いです。

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