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2016/03/20

歯科医院・病院・クリニックの資金繰りのポイント

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はじめに

歯科医院では、入金と出金の時差があります。

国保や社保といった保険診療報酬は、患者様からは窓口で3割負担分の現金で入金されますが、残りの7割が入金されるのは2ヶ月も先になってしまいます。

また、歯科用材料や医薬品などの仕入れや歯科技工所への支払いなどは、納品1か月後と診療報酬の入金よりも先にしなければなりません。
このように歯科医院は入金より出金が先行し、また、開業時の借入金返済や設備投資や人件費などの毎月の支払いがあるため、資金繰りをしっかりと管理しなければなりません。
売上が増えて事業は順調であっても、なぜか手元には現金がなく、支払い時期に間に合わず、黒字倒産ということにもなりかねません。
それでは、歯科医院・病院・クリニックの資金繰りのポイントを押さえておきましょう。

1. 歯科医院の資金繰りで気を付けたい3つのタイミング

開業時、医療法人1年目、新しい機器を入れる時の3つのタイミングは、特に資金繰りについて気を付けたい時期となります。

■開業時

開業時は、無理な設備投資をして、開業後に資金不足とならないように綿密な資金計画を立て、銀行からの融資の返済期間を最長にしておきましょう。

返済期間の目安は20年です。また、返済据え置きの期間を1年は取るようにしましょう。借入金額は余裕を持って額を設定されることをおすすめします。
先生方の中には、できるだけ借入額を少なくして、銀行への返済を早く済ませたいとお考えの方もいらっしゃるようですが、開業後に新規の借入をしようとする場合、手続きに時間や手間が掛かったり、医院の数字状況によっては、融資が降りないなどのリスクもあります。

開業時は、設備資金にばかり注視しがちですが、運転資金のことを忘れてはいけません。歯科医院を開業し、十分な診療収入が上がるまで、数ヶ月以上の期間を要するケースもあります。
開業月から クリニックの家賃、スタッフ給料、リース料など多くの経費は、診療収入に関係なく支払が発生しますので、開業後は売上(診療報酬収入)や利益を把握されるだけでなく、キャッシュフロー(現金の流れ)をしっかりと管理しましょう。

■医療法人1年目

個人の住民税と所得税は翌年に払わないといけないので、医療法人1年目の場合、個人時代の税金と法人税の1回目が重なってしまいますので、資金繰りが非常に厳しくなる時期になります。

この時期を想定して、役員報酬の給与を設定しておく必要があります。
また、個人事業主としての銀行の借金を 新たに設立した医療法人に移せば、医療法人として返済することになります。

医療法人の役員の給料を抑えて、医療法人の利益から法人税を支払った後のお金で返済していくことになります。
法人税の税率は、800万円の利益までが20%で、それを超えた部分が30%となっています。つまり、医療法人の最大の税率は30%で済むので、個人事業主の55%と比べて、20%以上も低くなるため、資金繰りは有利になります。

■新しい機器を購入する時

銀行融資を受ける場合に、返済期間の長さで、月々の支払い額が大きく異なってきます。
例えば、CTスキャンを購入する場合、耐用年数を基準に返済期間を決められることが一般的で、ほとんどのケースでは6年の返済期間になります。
そこで、CTスキャンの購入と同時にCT室を改装することで、CT室という建物の内部造作の耐用年数を基準に、新しい機器の6年返済という期間よりも 長く契約できる可能性がでてきます。そうすることで、資金繰りにゆとりが生まれます。

2.歯科医院・クリニックの資金繰りを見直すべき3つのポイント

歯科医院・クリニックで資金繰りが悪くなる原因は、入金サイト、支払サイト、納期が延びていることが挙げられます。これは医療機関関係だけでなく一般の企業の場合でも同じです。

■無駄な在庫を無くす

在庫がないと、患者様に処置をすることができませんが、在庫が多すぎると資金繰りを圧迫します。
締め日の前になると、極力仕入れをしないこと、不要な在庫は業者に返品処理することなどをスタッフに徹底させ、在庫管理を改善することが大切です。

■入金サイトを見直す

ここで言う「サイト」とは、Webサイトのことではありません。

入金までの「期間」のことを「入金サイト」と言います。一方、支払うまでの「期間」のことを「支払いサイト」と言います。例えば、月末締めで翌月末支払いの場合は、約30日後に現金の支払いということになりますから、「30日サイト」という言い方をします。
最近では、矯正や補綴の支払いが分割になっている歯科医院が増えてきました。患者様に分割の「入金サイト」を決めさせると、資金繰りが厳しくなる傾向になります。

また、補綴セット後にも分割支払いが続くと、患者さんが来院しなくなるリスクもあります。
特に、高額となる自費診療の場合、着手金や診療費の半金を先にお支払いしてもらうなどの工夫は、未回収のリスクを少なくする上でも非常に重要なポイントです。

■借入の一本化を行う

返済期間の途中で銀行に新たな借入を申し込む場合は、返済期間を長い方に一本化することをおすすめします。その融資条件で、複数の銀行に話しを持ちかけてみるなど、より良い条件で借入れを交渉していくのも重要な資金繰りの戦術です。

まとめ

資金繰りは、重要な経営面の意思決定を下す時だけではなく、少なくとも毎月1回は見直すことをおすすめします。
先生ご自身で管理が難しい場合は、税理士に依頼してみましょう。毎月試算表を作ってもらうだけではなく、資金繰りをうまく回していくために、何が問題でどこを改善すればいいのかを具体的なPDCAサイクルをアドバイスしてもらうことが重要です。
もっと詳しく知りたい、資金繰りについて的確なアドバイスをご希望の方はご相談を随時お受けしておりますので、ご遠慮なくお問い合わせください。


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