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2021/10/29

最低賃金の改正と所得拡大促進税の活用

採用,求人,最低賃金

1.はじめに

令和3年10月より最低賃金の改定が行われております。全国加重平均(全国の最低賃金を都道府県ごとの労働者数を重み付けし計算した平均額)で前年度比28円増の930円となりました。引上げ額は過去最大となっており、事業主側の人件費負担の増加が懸念されています。
そこで今回は、前年より給与の支給額が増加した際に税金の節税が検討できる「所得拡大促進税制」をご紹介致します。


2. 所得拡大促進税制とは

所得拡大促進税制とは、中小企業者等が従業員への給与(賞与含む)の支給を前事業年度より1.5%以上増加させた場合に支給給与増加額の15%を法人税額(所得税額)から控除できる制度です。
合わせて、上乗せ要件として、給与支給額が前事業年度より2.5%以上増加しており

① 教育訓練費が前事業年度比10%以上増加
② 適用年度の終了の日までに経営力向上

認定を受けており、経営力向上計画に基づき経営力向上が確実に行われた証明がされていること。
上記のどちらかを満たしていれば税額の控除額が支給給与増加額の25%になります。(ただし、控除額には上限があり、その事業年度の法人税額の20%までとなっております。)


令和3年度税制改正における見直し

制度の適用のためにいくつか設けられている要件が、令和3年度の税制改正により要件の緩和が行われました。(令和3年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度が対象)

ポイント 
継続雇用者給与等支給額の前期比1.5%以上増加という要件が、雇用者給与等支給額が前期比1.5%以上増加へ変更

適用要件の「継続雇用者」が「雇用者」に変更されます。従来の要件では継続雇用者ということで、前事業年度と今事業年度の24ヶ月在籍する従業員に対する支給額で判定することとなっています。この部分が改正により、継続雇用という要件が外れたため事業年度の途中で採用した従業員への給与も含め、社員全体への支給額で判定をすることとなります。これまでは、この継続雇用者という要件がクリアできずに適用を断念せざるを得ない事業者様も多かったと思いますが要件緩和によりハードルが下げられる形となりました。

合わせて、給与支給額が前事業年度比2.5%以上で、給与等の増加額に対して25%の税額控除が可能となる上乗せ要件に関しても同様に継続雇用者という要件が雇用者給与等支給額へと要件緩和が行われます。


3. 最後に

最低賃金の改定により、従業員さんへ支給する給与の金額が増加する事業者様もいらっしゃるかと思います。
税制改正により、令和3年4月以降に開始する事業年度分より適用のハードルも下げられておりますので、適用が見込まれる際は是非ご検討ください。



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