クリニックの採用面接も対象!「就活等セクハラ」対策
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1.はじめに
現在、多くのクリニックで看護師や医療事務の採用難が続いており、SNSを活用した採用活動や、看護学生の実習・見学受け入れを積極的に行う医療機関が増えています。
しかし、本年10月1日より、男女雇用機会均等法の改正に伴い、採用面接や実習の場における「就活等セクハラ」に対する雇用管理上の措置がクリニックなどの医療機関にも義務化されるのをご存知でしょうか?
今回は、院長先生や採用担当者が知っておくべき「就活等セクハラ」の実態と、クリニックが実務としてどう対応すべきか、法律の指針を踏まえて解説します。
2.就活等セクハラとは(クリニックでの想定ケース)
指針において「就活等セクハラ」とは、“事業主が雇用する労働者による性的な言動により、求職者等の求職活動等が阻害されること”とされています。
対象となる「求職者等」には、採用面接の参加者だけでなく、クリニック見学に来た求職者や、看護実習等の受講者(学生)も含まれます。また、SNS等のオンライン上で行われるやり取りも対象です。
世間では「就職の相談に乗る」と言葉巧みに学生を誘い出し、個室の居酒屋等でわいせつ行為に及ぶ事件が社会問題化しています。クリニックにおいても、実習中の指導係という立場を利用し、執拗に私的な食事に誘う行為や、意図的かつ継続的に性的な冗談を言う行為、面接時に「彼氏はいるのか?」といった性的な事実に関する質問をする等の言動がこれに該当します。
就活等セクハラが社内セクハラと大きく異なるのは、「職場外の非公式・私的な場で行われやすい」という点と、求職者側の「不採用になるかもしれない」「実習の評価に響くかもしれない」という不安感につけ込み、拒否しにくい心理状態を利用している点です。
3.クリニックに求められる具体的な措置(2026年10月〜)
クリニックは、院長ご自身や自院のスタッフが加害者となり、外部の求職者や実習生が被害者となることを防ぐため、以下の措置を講じる義務があります。
① クリニックの方針等の明確化及びその周知・啓発
就業規則等で就活等セクハラの禁止や、もし行われた場合の厳正な処罰を規定してスタッフに周知するだけでなく、「求職活動等に関するルール」をあらかじめ明確化し、求職者にも周知することが新たに求められます。
例えば、「面談時間及び場所の指定(密室を避ける等)」「やり取りに用いるSNSの種類の指定(個人のLINEは使わない等)」などのルールを定め、採用パンフレットやクリニックのホームページ等を用いて求職者へ発信します。
② 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制整備
求職者が萎縮せず相談できるよう、ホームページ等で相談窓口の存在を周知します。発生の恐れがある微妙な事案についても、広く相談に応じる体制が必要です。
③ 事後の迅速かつ適切な対応
万が一被害が発生した場合は、事実関係を確認し、被害者に対する配慮のための措置を行うとともに、加害者である自院のスタッフに対して適正な措置(懲戒処分等)を実施したうえで、再発防止に向けた措置まで講じる必要があります。
4.まとめ・結び
就活等セクハラは、「あそこのクリニックの面接でセクハラを受けた」といった悪評がSNSや口コミで一気に拡散し、クリニックのブランドや地域からの信頼を一瞬で失墜させるおそれをはらんでいます。
医療機関として面談ルールを厳格化し、透明性の高い採用活動を行うことが、今後のクリニック経営において極めて重要になります。
「本年10月の義務化に向けて、うちのクリニックの就業規則や採用フローを見直したい」とお考えの院長先生は、ぜひ医療・労務に強いアップパートナーズグループの社会保険労務士までご相談ください。
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