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2024/03/07

2024年4月から雇用契約書が変わります!

1.はじめに

スタッフの入職時や有期雇用契約の更新時など、事業主の皆様は雇用契約書の取り交わし又は労働条件通知書の交付によって入職後(更新後)の労働条件をスタッフに明示されているかと存じますが、2024年4月1日以降、この労働条件明示のルールに変更があることをご存知でしょうか。
今回は、労働条件明示の新ルール及び具体的な対応について説明します。

 

2.労働条件の明示義務とは

労働基準法により、事業主は労働契約の締結に際し、労働者に対して、賃金・労働時間その他の条件を明示することが義務付けられています。
具体的な明示事項は下記①~⑭であり、①~⑥は原則として書面の交付による明示が必要です。

①労働契約の期間に関する事項
②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無等に関する事項
⑤賃金額、計算及び支払いの方法、賃金締め日及び支払日並びに昇給に関する事項
⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む)
⑦退職金の有無、計算及び支払いの方法、時期等に関する事項
⑧臨時に支払われる賃金、賞与等に関する事項
⑨労働者に負担させる食費、作業用品等に関する事項
⑩安全及び衛生に関する事項
⑪職業訓練に関する事項
⑫災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑬表彰及び制裁に関する事項
⑭休職に関する事項

明示義務を怠った場合には罰則が定められているほか、実際の労働条件と相違する条件を明示した場合、労働者には契約を即時に解約する権利が認められているため、注意が必要です。

 

3.2024年4月1日以降の変更点

2024年4月1日以降は、前述の①~⑭に加えて、下記1~3の事項を記載することが求められます。

①. 就業場所・業務の変更の範囲

従前は雇入れ直後の就業場所・業務内容の明示で足りていましたが、今後は将来的な変更の範囲まで記載することが必要となります。

②. 更新上限の有無と内容

有期雇用契約を締結する場合、通算契約期間または更新回数の上限の有無及びその内容を記載することが必要となります。

③. 無期転換申込機会・無期転換後の労働条件

無期転換ルール(有期雇用契約の通算期間が5年を超える場合、無期雇用契約への転換を労働者が申し出ることが可能な制度)に基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時に、当該労働者に無期転換申込みの権利があること及び転換後の労働条件を記載することが必要となります。


【厚生労働省HP引用】

①については、雇用契約を締結する全ての労働者が対象であるため、既存の雇用契約書(又は労働条件通知書)の内容を変更する必要があります。
その際、就業場所・業務の変更の範囲については、現状予定されていない場合であっても、分院の開設や配置転換等の将来的な可能性がゼロでなければ、「医院が定めるすべての事業所」・「医院が定めるすべての業務」などの包括的な記載が無難です。

②③については、有期雇用スタッフの場合のみ追記が必要なものであり、契約の更新に上限を設けるのであれば、「更新◯回まで」「通算◯年まで」と明記し、上限を設けない場合は、「上限無し」の記載で構いません。
また、通算5年を超える有期契約となる場合には、本人の申し出によって無期雇用契約に転換する権利があることの明示及び無期転換後の労働条件を記載する必要があります。
(無期転換後の具体的な労働条件については、別紙への記載でも構いません)

 

4.最後に

社労士法人かぜよみでは最新の法改正の内容に対応した雇用契約書・労働条件通知書作成のご依頼を受けておりますので、お気軽にご相談ください。

※本記事の記載内容は、2024年3月1日時点の法令・情報等に基づいています。


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