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2023/06/08

円滑な相続手続きを進めるために必要なこと

1.はじめに

来年からの相続登記の義務化を控えて、相続手続きの相談を受けることが増えております。
そこで、改めて相続登記の義務化のご説明をさせていただきたいと思います。


2.相続登記の義務化(令和6年4月1日施行)

相続(遺言も含みます)によって不動産を取得された相続人の方は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。なお、法施行前に相続登記をされていない場合の3年のスタート起点は、令和6年4月1日になります。また、「被相続人の方の死亡を知った日」からではないので、相続で不動産を取得したことを知らなければ3年の期間は開始されません。

正当な理由※がないにもかかわらず申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。なお、法施行前に相続登記をされていない場合の3年のスタート起点は、令和6年4月1日になります。

※正当な理由の例としては以下のことが挙げられています。
(1)相続登記を放置したために相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース
(2)遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース
(3)申請義務を負う相続人自身に重病等の事情があるケース など

過料の話題だけが先行して、その心配をされた方から相談を受けることがありますが、上記の正当な事由があれば過料の対象にはなりません。また義務化と同時に、下記の相続人申告登記が同時にスタートするので、こちらを利用することでも、過料の対象から外れることになります。


3.相続人申告登記(令和6年4月1日施行)

登記簿上の所有者の方について相続が開始したことと、自らがその相続人であることを申し出る制度です。
所有権の持分や権利の取得を公示するものでないものの、相続登記の申請義務を果たすことになります。

なお、相続登記の義務化に合わせて、土地を国に帰属させる制度がスタートしましたが、あまり、実用的ではなく、当事務所では実際の申請のお手伝いまでには至っておりません。


4.相続土地国庫帰属制度の創設(令和5年4月27日施行)

土地の管理負担が大きい場合もあることから、相続によって土地の所有権を取得した相続人の方が、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度です。ただ、申請時の審査手数料や負担金(10年分の土地管理費相当額)を納付いただく必要があります。(例:宅地1筆20万円)
現段階では、全国的にも実際に申請される方はまだ少ないようです。当事務所に相談された方にご案内しても、負担金を考慮して、手続きを躊躇されます。

上記のように、相続関連の法改正や案内が増えて、相続登記を含めた相続手続きの相談が増えております。ただ、核家族化が進み、親族同士での交流が減っていることから、相続手続きが簡単に進まないケースが増えてきました。


5.相続手続きでよく起こる問題

相続人全員からの署名捺印

原則、相続手続きに必要なこととして、遺言がない場合は、協議決定をした書面に相続人全員からの署名捺印や実印の押印が必要となります。銀行口座の相続手続きの書類にも全員の署名捺印を求められることが通常です。

相続人への連絡

相続人は、通常であれば配偶者やお子様になります。
ただ最近は亡くなられた方にお子様がいないケースもあり、その場合は兄弟姉妹の方や甥姪が相続人となるケースがあり、相続人が10名を超えてくることがあります。また、争ってはいないものの、連絡が取れなかったり、行方がわからないという場合が多くあります。連絡が取れない相続人の方々には、電話もできないため、住民票上の住所にお手紙を送り、所在、連絡先を確認することになります。連絡が取れたとしても、交流がなく、疎遠になっている方に相続手続きの説明を行い、署名捺印をもらうことは精神的な気苦労をともないます。

不動産(負動産)

山奥の広い山林や荒れ地、築年数の古い空き家など、管理処分が難しい不動産が相続対象になっている場合は、誰が相続するかを決めることができず、遺産分割協議が進まないことがあります。相続財産の対象となる不動産をどうするかという将来的な話し合いが事前にされていないと、実際に相続が開始した場合、預金の方の相続手続きも進まなくなってしまうことがあります。


6.まとめ

制度や法律から外れるかもしれませんが、相続対策のためには、日頃から、ご家族・ご親族同士で連絡を取り合ったり、交流を持つことが、これからさらに大切になってくるかと思います。お盆やお正月など、交流を持つ機会があれば、親族同士のお付き合いをゆっくりされてみてはどうでしょうか。

アップパートナーズグループの司法書士チームでは相続の事前、事後策のことまで、ご相談に随時対応しております。いつでもお気軽にご担当までご連絡ください。

司法書士法人ハートトラスト(佐賀伊万里・福岡オフィス)
http://www.hearttrust.co/



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