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2022/08/17

相続登記が義務化されます

1.はじめに

相続に関する法律が改正されて、令和6年4月から相続登記が義務化されます。また司法書士制度が150周年を迎えるという節目で、全国で司法書士会による無料相談会(8月7日開催)の案内がされており、当事務所でも相続に関する相談を受けることが増えました。そのため、今回は相続を中心とした、法改正に関して、決定している範囲でご案内したいと思います。


2.相続登記の義務化の背景

これまで相続登記の申請は任意とされており、かつ、その申請をしなくても相続人の方々が不利益を被ることが少なかったため、相続登記がされないままの土地が年々増加していました。その結果、不動産登記簿から所有者の方が直ちに判明しない土地、もしくは所有者の方の所在が不明で連絡が付かない土地が増えて、所有者不明土地が占める割合は九州本島の大きさまで増えており、公共民間に限らず土地開発等に大きな支障が生まれてきております。そのため、相続登記申請義務化の動きが進められてきました。


3.相続登記の義務化のルール (令和6年4月1日施行)

Ⓐ 基本的なルール

相続(遺言も含みます。)によって不動産を取得した相続人の方は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。ただし、「被相続人の方の死亡を知った日」からではないので、相続で不動産を取得したことを知らなければ3年の期間は開始されません。

Ⓑ 遺産分割が成立した時の追加的なルール

遺産分割の話し合いがまとまった場合には、不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から
3年以内に、その内容を踏まえた登記を申請しなければならないこととされました。

ちなみにⒶ・Ⓑともに、正当な理由がないのに義務に違反した場合、10万円以下の過料の適用対象となります。正当な理由の例として、何世代も上の曽祖父名義の不動産の場合や、相続人の数が多くて登記申請ができていないという場合は、正当な理由があるとして、過料にはあたらないという見解が出されています。

なお、令和6年4月時点で、すでに3年が経過していた場合は、すぐに義務違反の対象にはなりません。令和6年4月時点から3年以内の登記申請が義務付けられます。 
罰金の実際の額や適用事例は法施行後に明らかになってくるかと思います。


4.相続人申告登記

相続登記は戸籍を集める手間が大変だったり、遺産分割がまとまらず、すぐには思うようにできない場合があります。
そこで、より簡単に相続登記の申請義務をとりあえずの形で履行できる仕組みが新たに設けられました。

①登記簿上の所有者について相続が開始したことと、②自らがその相続人であることを登記官に申し出ること

で、相続登記の申請義務(上記Ⓐ)を履行することができます。一人の相続人の方が相続人全員分をまとめてその申出をすることもできます。


5.相続土地国庫帰属制度の創設(令和5年4月27日施行)

相続財産の土地の管理負担が大きいことから、引き継ぐ方が決まらず、相続手続きが遅延することもあります。そこで、相続によって土地の所有権を取得した相続人の方が、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度が新たに創設されました。
なお申請時の審査手数料や負担金(10年分の土地管理費相当額)を納付いただく必要があり、その具体的な金額や算定方法は、今後、政令で定められる予定です。しかし、少しでも不動産の管理義務の軽減につながるかと思います。

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6.最後に

相続登記の義務化の開始は実際にはもう少し先の話ですが、いろいろと情報が増えてくる中で、ご家族ご親類同士で相続のお話が活発になる可能性があるかと思います。円満に話し合いを進めるためにも、相続に関する準備は早めに始められることをおすすめいたします。

アップパートナーズグループの司法書士チームでは相続の事前事後策のことまで、ご相談に随時対応しております。いつでもお気軽にご担当までご連絡ください。

▼アップパートナーズグループ
司法書士法人ハート・トラスト
http://www.hearttrust.co/



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