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2016/04/23

医療法人化の名義変更の注意点!

Closeup on clueless business woman with documents

はじめに

医療法人とは、医療法の規定に基づき、病院、医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所または老人保健施設を開設しようとする社団又は財団で、都道府県知事の認可を受けて設立される法人のことをいいます。

 

個人事業から医療法人化へスピーディに準備を進めていらっしゃるドクターが増えてきています。

個人事業として始められたクリニックが順調に軌道に乗って、申告時期になると、税金負担が重く感じられたり、分院や介護事業などの新しい事業ビジョンを構想されたり、また後継者へのバドンタッチがグ台化し始めると、ドクターの法人化への強い意志は待ったをかけられません。今回は、個人事業から医療法人化する場合の大切な名義変更についてアドバイスをします。

 

名義変更をしたほうがいいもの!

法人成りしたタイミングで法人名義の預金口座を開設するのが通例です。それに合わせて、診療報酬の振込入金口座や経費の引落し口座も医療法人名義の預金口座へ変更しましょう。

少しだけ面倒な手続きですが、口座を開設してしまえば、個人・法人のお金を明確に分けることができ、キャッシュフローが分かりやすくなります。個人の預金口座をそのまま使っていると、個人と医療法人の収入と支出の区分がかえって複雑になります。

よって、医院に関わる収入や支出については、すべて法人名義の口座に変更することをおすすめします。取引業者へ医療法人化した旨の案内文を送り、口座変更手続きの書類を送ってもらいましょう。また請求書の宛名も医療法人名に変更してもらいましょう。

 

リース資産についても名義変更をします。実際、リース会社の方から提案があることが多いでしょう。急いで必ずやらなければいけないというものではありません。その理由は名義を変更しなくても利用実態としては法人で使っているのが明確なものが多いため、仮に税務調査があったとしても否認されるケースは少ないからです。

 

また、パソコンなどの備品や商品在庫などがあります。こちらに関しては引継ぎの際に現物出資にするか、在庫の場合は個人事業主から医療法人へ売買するなどをして引継ぎをします。

 

このほか、医療法人化にあたって、必要な手続きは、以下のようなことがあげられます。

・クリニックの資産(車、電話加入権)の名義変更手続き

・クリニックで継続的に払っている出費(リース払い・水道光熱費)に関する名義変更手続き

・患者様が利用するカード払いの手続きにあたり、カード会社への名義変更手続き

・医師会の登録変更手続き

・保険診療報酬の振込先の口座を法人口座に切り替える手続き

・医療法人と明記した看板のつけかえ

・医療法人と明記したホームページの更新

 

 

名義変更しないほうがいいものもある!

個人時代に購入された医療器具や建物、内装設備などの資産については、名義を変更しないケースが多いです。それは消費税の負担に関わってくるからです。

具体例を挙げながら説明していきましょう。

個人事業として所有している財産、たとえば医療器具やその他固定資産の額(簿価)が2,000万円、その医院にあったとします。これを個人から医療法人へ名義を移す場合、個人側は2,000万円の売上となり、個人は160万円の消費税を預かって、医療法人側は160万円の支払消費税が発生することになります。

 

この場合、何が問題なのかというと、法人側がネックとなってきます。

 

少し話が複雑なので、まず医療法人ではなくて一般の法人と個人の話で説明します。

 

法人も個人も同じ経営者が運営している場合、

個人では預かり消費税を160万円納めるのに対し、法人側は個人に対して160万円の消費税を支払っているので、仮に売上が2,000万円あった場合の預かった消費税額は160万円ですので、国に納める消費税額は、預かり消費税から支払消費税を差し引いて 0円となります。

 

しかし、これが医療法人となると話が変わってきます。

 

医療法人の場合、支払消費税として認められる額を算出するためには、

自費収入 / (保険診療収入 + 自費収入)で求められる課税売上割合をかける必要があります。

 

例えば、自費収入が2,000万円、保険収入が6,000万円だったとすると、

課税売上割合は 2,000万円 / (6,000万円 + 2,000万円) = 25% となります。

 

 

 

 

すると、預かり消費税の計算は、自費収入2,000万円 x 消費税率8% = 160万円となります。

 

ここで支払諸費税の額を計算すると、

支払消費税は、個人から購入した固定資産分2,000万円 x 8% x 課税売上割合25% = 40万円となります。

 

というように、課税売上割合(25%)を掛け算するため、実際には個人に160万円も消費税を払っているのに、支払消費税として認められる額が40万円ということになります。

預かり消費税 – 支払消費税  = 国に納める消費税となりますので、一般法人であれば、0円になるところが、医療法人のこのケースだと、160万円 – 40万円 = 120万円も消費税を一般法人よりも多く納めなければならないことになり、非常に損になります。

つまり、名義変更をせずにリースで個人から法人へ貸したままのほうがメリットのあるケースです。

 

医院を新築した際の消費税還付については、もっと詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

https://www.upp-medical.com/news/201/

 

まとめ

医療法人名義に変えたほうが有利なものものと、そうでないものについては医院の状況次第で全く異なりますので、細かなところは信頼できる税理士に相談して詳しくシミュレーションしてもらうことをおすすめします。以上、医療法人化での名義変更について知っておきたい基礎的なポイントをご説明してきましたが、いかがでしたか。医療法人化に向けてしなければいけないことが沢山ありますので、お一人で悩まず、税理士やメーカーディーラーの担当者、銀行の担当者など外部の知恵や力も借りながら、法人成りを実現しましょう。もっと詳しく知りたい、医療法人化について的確なアドバイスをご希望の方はご相談を随時お受けしておりますので、ご遠慮なくお問い合わせください。

また、当サイト内に、医療法人のメリット・デメリット、個人クリニックと医療法人の違いなど、法人化を目指す方にはとても役に立つ情報が綺麗にまとまったページがございますので、法人化をご検討の方は以下のリンクからぜひご覧ください。


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