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2019/06/07

借入がいいですか?リースがいいですか?

1,はじめに

実際に「リースの場合と、購入の場合」をシュミレーションし、比較する必要がありますが、一般的に自己資金で購入する場合とリースを検討する場合は、直近の資金繰りが厳しい場合には、最優先すべきは、資金繰りです。よって、リースで支払を遅らせるべきだと考えます。

しかし、直近の資金繰りが厳しくない場合には、 購入の場合とリースの場合と支払い総額が少ない方を選ぶべきです。これは、投資を行う際、全般に通じることです。

2,リース契約の購入処理、賃貸処理の違いについて

リース契約は内容により、購入処理になるもの、賃貸処理になるものがあります。

どちらになるかは、個々の契約形態で異なります。購入処理になると、自社の資産と同様に「減価償却費」として経費になります。賃貸処理になると、資産を借りているものとして「リース料」として経費になります。「減価償却費」として処理する場合は、耐用年数に渡って定率法か定額法で経費にしていきます。

一方、「リース料」として処理する場合には、支払った金額だけ経費になります。購入処理か賃貸処理のそれぞれの場合で毎年の経費の金額が異なります。すると、毎年の税金の金額が異なってきます。このことがリースか購入かの選択を迷わせている一番の原因ではないかと思います。直近の税金が少なくなる方を選んでいませんでしょうか?

購入の場合もリースの場合も支払総額が変わらない場合、長期的な期間総額での節税効果に変わりありません。早めに税金が少なくなるか、遅めに税金が少なくなるかの違いです。経費総額は変わりません。経費総額が変わらないという事は、節税効果も変わりません。見積もりの際、注意することは、購入の場合のランニングコストであるメンテナンスコスト、消耗品、保有に関する税金等のコストを加えて算定する必要があります。

また、購入の場合には、優遇税制を受けることができるため、優遇税制利用によるメリットを加味した見積もりを行う必要があります。

3,再投資の周期とリース期間

その他、複雑にはなりますが、投資対象の設備が定期的に買換えなどが必要になる場合、何年周期に買換え(投資対象の見直し)予定あるか?再投資の周期を検討する必要があります。投資する対象によって、次回の買換え・入れ替えの予定時期が異なります。

例えば、機械のリースを考える場合、機械は一定期間経過すると、より高性能な機械が販売され、買換えの時期になります。買換えが必要でとは言えなくても、設備投資については、一定期間ごとに見直しの必要があります。

再投資の周期、つまり、「次回の買換え・入れ替えの時期までの期間」と「リース期間」の比較を行います。

再投資の周期>リース期間の場合

リース契約の違約金等を含め「再投資の周期」時点で購入かリースかどちらが支払総額が少ないかを比較します。

再投資の周期<リース期間の場合

再投資の周期までリース期間を延長した場合の再リース料をリースの場合に含めてどちらが支払総額が少ないかを比較します。

購入の場合とリースの場合で支払総額を比較し、リースか購入かの判断を行います。

以上のように、「リース=節税」になると考えがちですが、あくまで節税は、資金を残すための手段です。リースは契約の内容によっては、「借入」を行い、「購入」するといった実態であることがあります。この場合、「借入」の利息が結構高くなっている場合もあります。

4, 借入との比較

銀行で設備資金の融資を受ける場合の金利は1%~3%程度です。リース料率が18%程度ですので、利息の負担だけ見ればリースの方が圧倒的に高くなります。例えばオリックスで新車価格120万円程度の軽自動車をリースした場合には、支払期間9年で毎月のリース料は16,000円程度です。120万円を金利2%で期間9年として、借りた場合の利息負担額は約312,000円、毎月16,000円のリース料を9年間払い続けた場合の総額は172.8万円ですので、費用負担は圧倒的にリースの方が大きくなります。借入の場合:借入額120万円+31.2万円=151.2万円リースの場合:16,000×9×12か月=172.8万円このように総額で見ても借入の方が安くなります。

5, まとめ

節税になっても長期的に資金が残らないと意味がありません。

このように計算することは簡単ではありませんが、投資額が大きくなる場合、慎重により少ないコストで投資を行う方法を検討する必要があります。投資効果が同じであれば、少ない投資額の方が有利な投資です。

投資を考える際には、費用対効果で考える必要があります。


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