2025年10月からの最低賃金、福岡・佐賀・長崎で大幅上昇の見通し

1.はじめに
2025年10月以降に適用される最低賃金について、福岡県、佐賀県、長崎県の情報をまとめてみました。各地方の最低賃金審議会は、物価高騰などを背景に、いずれの県も過去最大級の大幅な引き上げとなり、初めて時給1,000円を上回る見込みです。
2.3県の新しい最低賃金
各県の新しい最低賃金(答申額)※
※答申とは中央最低賃金審議会が全国の労働者の生活安定と社会経済の均衡を図ることを目的とし、最低賃金額の目安額を示すことです。その後、各地方の最低賃金審議会にて調査・審議を経て、各都道府県労働局長が最終的な最低賃金額を決定する際の重要な指針となります。
2025年8月29日現在、各県の地方最低賃金審議会から答申された内容は以下の通りです。今後、異議申し立てなどの手続きを経て、正式に決定されます。
現行 改定目安額 時期
福岡県 992円 1,057円 11月16日
佐賀県 956円 1,030円 11月21日
長崎県 953円 1,017円 10月
福岡県は、国の審議会が示した目安(+63円)を2円上回る65円の引き上げとなりました。次に佐賀県ですが、国の目安(+64円)を10円も上回る74円という大幅な引き上げで、大きな注目を集めています。最後に長崎県は、国の目安通りの64円の引き上げとなる見通しです。
3.今後の賃金上昇について
最低賃金は今後も継続的に上昇していくとみられています。政府は「2030年代半ばまでに全国加重平均で1,500円」という目標を掲げておりますので、その実現に向けた動きが続いています。
2022年度(令和4年10月)の改定から急激に上昇しはじめており、2025年度の改定は、全国的にも過去最大の引き上げ幅となる見込みで、全都道府県で最低賃金が1,000円を超えることが確実のようです。
4.賃金上昇は続くけど
会社に勤める従業員の方には賃金上昇は非常にありがたい一方、経営者の皆様においては悩ましい面があるのも事実です。労働者の生活安定や消費の活性化が期待される一方で、企業、特に中小企業にとっては人件費の増加という課題に直面することになります。
これらの賃金上昇に対する経営者サイドに対し、政府は支援策を講じております。
例えば、賃上げを行う企業に対し法人税の税額控除や、積極的な設備投資に対する補助金の支給、賃上げをセットで行うことにより上乗せをしたり、一定額へ賃上げすることにより助成金の額を増額する等、中小企業に対しても積極的な賃上げを促しています。
他方、厳しい状況に直面している中小企業の経営者も多く、自社商品、サービスへの価格転嫁がなかなかとれず、採算が合わない等の声も聞こえてきます。ですが、今後の賃金上昇の流れをみていきますと、自社の商品やサービスへの価格転嫁は必須であり、転嫁をした上で、自社従業員の賃上げをしていかなければならない、という環境にならざるを得ず、賃上げと同時に自社の売上、収益も上げていかなければなりません。
5.最後に
今後、最低賃金の最終の決定額については各県の労働局から正式な発効年月日が官報で公示されます。賃上げも実施しながら、補助金や助成金、減税等を上手に活用しながら日々をのりきっていきましょう。
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