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2021/11/24

クリニックの退職金制度の考え方

退職金,クリニック,積立

クリニックでは、あまり一般的でない「退職金」という制度。
本日は、クリニックにおける「退職金」の実態についてご紹介します。


1.退職金のあるクリニックは◯%未満!?

一般企業ではなじみがある退職金ですが、クリニックで明確な制度を設けている事業所はごく少数でしょう。労働局の統計によれば、医療・福祉業では50%近くの事業所が「退職金制度がある」と回答しています。ただ、それらはいわゆる病院であり、規模が比較的大きなところが大半です。クリニックに限定した正確な統計はありませんが、私たちの実務感覚では、明確な退職金があるクリニックは10%未満だと考えています。


2.退職金制度ってゼッタイ必要?

ご存知の通り、退職金制度は、あくまでも使用者が定める「任意の制度」です。退職金制度がないことが悪いことではありません。一般企業でも、例えば人材の流動性が高いベンチャー企業では、ごく少数しか退職金制度を設定していません。
クリニックも人材の流動性が比較的高いため、退職金制度はなじまないという考え方もあります。反対に、「やっぱり長期勤続には退職金で報いたい」という考え方もあり、退職金について人事労務的な考え方はないと思います。
ただし、退職金は任意の制度ではあるものの、制度を設けて退職金規定を一度でもスタッフに周知すれば明確な「契約内容」となります。原則として、経営状態に関わらずその内容に従って退職金を支給する「義務」が生じるのです。


3.退職金制度を設ける3つの目的

退職金が任意の制度である以上、設けるには「目的」を考えることが重要です。その目的としては、次のようなものが挙げられます。

①有用な人材に長く勤めて欲しい

「長く勤めよう」と考えるインセンティブとしてどの程度機能するのか?

②求人のPR材料のひとつとして、有用な人材を採用したい

求人の魅力として退職金制度がどの程度機能するのか?

③長く勤めてくれたスタッフを労いたい

どのくらいの勤続年数から大きく労いたいのか?

退職金制度の導入を考えるにあたっては、「目的」に対して、退職金が有効なのか、それとも在職中の処遇に重きを置くほうがベターなのかを考えてみる必要があります。
一般企業の例では、退職金を「選択性」としている事業者もあります。「退職金」として受け取るか、はたまた「月次給与」として受け取るかを労働者が選択する制度です。退職金として受け取るメリットは、退職所得控除があることと、月次の給与が少なければ社会保険料や所得税等が少なくなることです。

例えば、協会けんぽ・厚生年金・雇用保険・所得税控除後の給与21万円と20万円の手取り額の差は、約6840円です。この場合、差額の1万円を退職金積立にまわしても、月次給与の手取りは6840円しか減少しないということになります。


4.退職金の相場を知りたい

では、「退職金の相場は一体いくらぐらいなのだろうか」と気になる方も多いかと思います。私たちもお客様から時々ご質問を受けることもあります。ただ、「クリニックの退職金相場」になると、正直に申し上げれば「相場はない」という答えになってしまいます。
それでも、あえて相場を算出するならば、中小企業退職金共済の正社員掛金の下限である月5,000円をベースに支給開始年数・長期勤続のインセンティブ、自己都合退職係数などを考えるという方法があります。(※金額の目安として参照しているだけで、中小企業退職金共済をオススメしている訳ではありません)


5.パート職員への退職金

退職金といえば、正社員対象というイメージがあります。ただ、社会保険労務士法人かぜよみではパート社員に「1時間就業ごとに〇〇円の退職金積立を行う」という制度を取り入れています。パート社員は「扶養範囲内」という希望が多いため、主に昇給代わりに活用しています。


6.最後に

これからの時代は、人材確保と定着が大きな経営課題のひとつです。退職金に限らず、今後の人事労務施策を考えるきっかけにしていただければ幸いです。

<参考>


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