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2021/02/08

永年勤続者への記念品等は給与課税?

1, はじめに

長く勤めている従業員に対し、永年勤続表彰として賞与や記念品等を贈呈するクリニックも多いのではないでしょうか。
その記念品等には、言葉だけではなく形として気持ちを贈ることで、従業員とクリニックの信頼関係を深めるという意味もあると思います。永年勤続表彰の内容は、クリニックによって様々です。


2, どのようなものが給与課税?

賞与として現金や商品券を支給する、記念品を渡す、旅行や観劇へ招待する、旅行券を渡すというのが代表的な例として挙げられます。

それでは、表彰による支給品のうち、どういったものが給与課税されるのかを見ていきましょう。

a) 現金や商品券
現金、商品券などを支給する場合には、その全額(商品金の場合は券面額)が給与等として課税されます。

              
b) 記念品や旅行、観劇への招待費用
本人が自由に記念品を選択できる場合には、その記念品の価額が給与等として課税されますが、次の要件をすべて満たしていれば、給与等として課税しなくてもよいことになっています。

①従業員の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内

②勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としている

③同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいている

            
c) 旅行券の支給
一般的に旅行券は有効期限もなく、換金性もあり、実質的に金銭を支給したことと同様になりますので、原則として給与等として課税されます。ただし、次の要件を満たしている場合には、課税しなくてもよいとされています。

①支給後1年以内に旅行を実施

②旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含む)である

③旅行日や旅行先等の必要事項を記載した報告書と旅行先等を確認できる資料を添付して会社へ提出

④旅行券を使用しなかった場合は、会社へ返還

    
つまり、実質的に金銭を支給したことと同様と認められない場合には、給与課税しなくて差し支えないとされているのです。


3, 最後に/コロナ禍の旅行券の取扱い

昨年からのコロナの影響により、表彰で旅行券を支給しても、支給後1年以内に旅行券を使用し、報告をすることができるかどうかは不透明な状況です。今般、東京国税局に対し、納税者から「こういった不透明な状況であるため、報告期間を1年延長した場合でも課税しなくて差し支えないか」照会されました。

東京国税局は、1年延長後もコロナの状況等を踏まえ、再延長をした場合も含めて、その期間が妥当なものであれば給与課税しなくても差し支えないと回答しています。

課税されない期間が延長されることはクリニックや従業員にとってはうれしいことですが、早くコロナが収束して、気兼ねなく旅行できるようになってほしいと願うばかりです。


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