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2023/09/22

最低賃金変更後はどう対応すればよい?

1.はじめに

今年度の最低賃金の答申が出揃いました。基本的にはこの答申の金額が10月からの最低賃金になります。
今年度は過去最高額の引き上げ額で、ほとんどの地域で最低時給が40円以上アップとなり、福岡県は10月6日より41円アップの941円となる見込みです。今後も大幅な最低賃金の上昇になることが予想されます。


2.法律に沿った事業所の対応

時給制のスタッフの方はわかりやすいのですが、福岡県の場合、現在時給を941円未満に設定されている事業所につきましては、時給を941円以上に設定して頂く必要があります。月給制の方は一定のルールの元、月給を月平均労働時間で割って時給を算出し、抵触していれば月給を増やすという流れになります。また、求人を出している場合は、募集内容の給与欄の精査を行い、抵触している場合はハローワーク等へ募集内容の変更を行うことになります。


3.事業所内部の対応

最低賃金まで昇給させた後、内部に目を向けるとこのような事案に遭遇するかもしれません。
令和3年の福岡県の最低賃金は870円でした。

例えば当時パートAさんを870円で雇い入れられて、翌年昇給して令和4年に910円になり、更に翌年昇給して令和5年4月の昇給時に940円になったとします。しかしながら10月の最低賃金に1円抵触しますので、10月から941円にしたとします。

また人員補充を行い11月からパートのBさんを最低賃金の941円で雇い入れたとします。Aさんからすれば、2年間の働きぶりが認められて70円近く昇給したにも関わらず、今回入職した新人のBさんはなんの苦労もせずに私と同じ時給なのかという不満を抱えることになるでしょう。




4.あわせて昇給すべきなのか

法律的にいえば、既存スタッフを連動して昇給させる必要はありません。

しかしながら既存スタッフのモチベーションの低下や、スタッフ間での不公平感が高まる可能性はあります。また、今年は例に上げたようなことにならなかった事業所も、最低賃金は毎年4%前後位上がっており、来年も今年以上に最低賃金が上がることも十分考えられます。

つまりは、既存スタッフを最低賃金の上昇ベース以上の昇給を行わない限り、いずれ前述の3のようなことが起こりますので、定期昇給の際に最低時給の上昇率を考慮した昇給を行うのがよろしいかと存じます。


5.今後について

人口の減少に伴い就業者も併せて減少し、雇用も苦戦されている事業所も多いかと思います。
その上最低賃金上昇により、人件費も上がってきます。
そのために今後は既存スタッフのスキルを増加、一定の条件はありますが事業所内の最低時給を引き上げた際に、併せて設備投資を行った際に出る可能性がある「業務改善助成金」を利用して設備投資を行い、少ない人数でいかに生産性を上げていくかが重要になってくると考えられます。



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