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2021/02/12
従業員のメンタルヘルス対応について

1, はじめに

電通社員が過労自殺したことが労災認定され、メディアにも多く取り上げられましたが、平成28年度の労災請求された最多要因が「心の病」だったそうです。

そこで、実際心の病が原因で労災の請求が従業員からあった場合の対応を、今回は事例を交えながらご紹介したいと思います。


2, 事例

うつ病で休職中の従業員から、労災で申請したいので、協力してほしいと申し出がありました。
労災保険給付申請書に「災害の原因及び発生状況」欄に「長時間労働と上司のパワハラによる」と記載してあります。治療費の事や健康保険の傷病手当金より、労災の休業補償の給付率が高いため、従業員の事を考えて、労災の証明をしようか悩んでいます。


3, 事業主の証明をすることの意味

当該事例の対応で、原則としては協力すべきではないです。

理由として、労災保険給付申請書には事業主の証明欄があり、「記載した通りであることを証明します」と書かれていますので、長時間労働やパワハラがあったことを証明しているのと同じことになるのです。

労災の給付だけで済めばいいですが、その後、不法行為に基づく損害賠償請求をされた場合は、その事実があった重要な証拠となり、事業所側としては非常に不利な立場となります。労災には、慰謝料や逸失利益の補填という概念がなく、療養が長期化し障害が残ってしまった場合は、高額な損害賠償請求が発生する可能性があります。

労災認定がされてからでは、手遅れになってしまうのです。


4, 労災の請求とは

そもそも労災の請求の主体は、事業主ではなく労働者本人のため、事業所の証明がなくても労災の請求は可能です。もし、事業主の証明がないまま提出された労災保険給付申請書は、後日労働基準監督署から事業主証明を拒否した理由及び関係書類の提出を求められます。

その際に、事業所として労災が認められないことを説明する理由書を作成・提出し、その資料を鑑みて労働基準監督署が、労災認定するか決定する流れとなります。


5, 望ましい対応とは

当該事例である申し出があった場合の対応としては、協力しないと一方的に突き放すのは、当該従業員が感情的になり、事業所との関係性が悪化することになりえます。

柔和な対応としては、「事実の判断が出来ないため証明はできないが、そのまま労災の請求をしてもらうことは構いません。その後、労基署からの疑義に対しても、誠実に対応します」旨ご回答していただくと、誠意は伝わると思います。


6, 最後に

最近では、メンタルヘルスに関するご相談が以前と比べ、増えてきている印象を受けます。
予防策としては、メンタルヘルスの相談窓口の設置や定期的な管理職研修、教育を受ける側への研修などを実施することにより、円滑な職場環境の向上をご検討されてみてはいかがでしょうか。


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