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2020/08/31
減価償却とは何ですか?

1, はじめに

しばしばお客様からお尋ねいただく会計処理のひとつに「減価償却」というものがあります。
会計上の資金の考え方にも密接に関係していますので、理解していると決算書や試算表から必要な情報が読み取れるようになります。
この記事では、キャッシュフローとの関係や計算方法について、説明していきます。

 

2, 減価償却とは

減価償却とは、一時的な支出を、耐用年数(使える年数)に応じて、時間の経過に合わせて費用化することです。

例えば、700万円である医療機器を買い、700万円を全額その年に費用として計上したとします。
この医療機器はは当然1年だけ使って終わりではなく、これから長期間使うつもりで購入されたものでしょう。
そのための費用を最初の年だけに計上するのは実態にそぐわないと考えられます。

さらに翌年以降のことも考えてみましょう。

もし最初の年に全て費用を計上したとすると、翌年以降は費用はかかっていない状態でその医療機器を使っていることになります。
このように、長期的に使用することを想定して支払われた費用は、お金が出て行った時点で一括して費用として計上するのではなく、使う年数に応じて費用にする。

この考え方が減価償却なのです。

 

3, 減価償却費の資産評価としての側面

減価償却の考え方は、費用を分割して均等化するという役割のほかに、資産を評価するためにも使います。

先ほどの例を使ってもう少し説明を続けます。

購入した事業年度が終わったときにも医療機器は現物として残っています。これは自院の所有物であり、「資産」と呼びます。
年度末には、金額に評価して貸借対照表に記載しなくてはなりません。
それでは、700万円で買った機器ですが、1年間使った後でも700万円の価値があるでしょうか?
当然使用した分だけ購入時よりは価値が下がっていると考えます。ではどうやって評価すればよいのでしょうか?

答えは、費用として計上した減価償却費分を差し引けばいいのです。
具体的に言うと、700万円の機器を購入し、7年で償却すると考えて費用計上するとします。

つまり、毎年700万÷7年=100万円ずつ費用計上するということです。
この場合、1年目が終わった時点でその機器の帳簿上の価値は600万円、2年目が終わると500万円という風になるということです。

 

4, キャッシュフロー

次に資金面での考え方を説明します。
毎年計上している100万円の減価償却費は、実際に支出しているお金ではありません。これはどう考えればいいのでしょうか?

例えばこの医療機器で毎年150万の売上があったとします。
話を単純化するために他に費用はかかっていないとすると、この機器で得られた利益は150万-100万=50万円です。
ただし、実際のお金の流れは初年度に700万円を支払っています。2年目以降は売上150万円が丸々手元に残ります。
つまり、実際には帳簿上の利益+減価償却費分が現金として入ってきます。
これは、最初の年に投資した700万円を毎年少しずつ回収しているということを示しています。

 

5, 減価償却費と借入金返済の関係

上記の説明で減価償却費が、「帳簿上の利益以外に手元に現金として残るもの」だとういうことがおわかりいただけたと思います。
そのため、一般的に、この減価償却費を銀行借入金の毎月の返済に充てるケースが多いです。

逆に言うと、毎月の返済額が減価償却費を上回る場合、帳簿上の利益を取り崩して返済に充てなければならないので、
銀行借入をされる場合には、返済期間・返済額の設定に注意する必要があります。

 

 

6, 減価償却の計算方法

減価償却の計算方法には、大きく分けて「定額法」「定率法」の2種類があります。(上記設例は定額法です。)
固定資産の種類によっては、定額法だけしか適用できない場合があります。

定額法

定額法は、毎年同額を減価償却費として計上する方法です。
例えば、耐用年数が7年の機器を700万円で購入した場合について、定額法で考えてみましょう。
初年度に全額を経費として700万円を計上すると、初年度以降も機器を使い続けていくのに、経費は計上されません。
この状態だと、損益のバランスが崩れることになります。そこで、購入額700万円を耐用年数の7年に分けて費用計上します。
毎年100万円ずつ減価償却することで、適正な損益計算をすることができるのです。

定率法

定率法は、初年度に減価償却費を大きく計上し、その後は未償却残額に毎年一定の償却率を掛けて、徐々に減少させていく方法です。
利益に余裕があり、初年度に大きく経費を負担をしてもいい場合は定率法を選びます。
定率法の償却率は、固定資産の取得価額や法定耐用年数によって決められます。
定額法の具体例と同様に、耐用年数が7年の機械を700万円で購入したとします。
償却率を286とした場合、初年度は700万円×0.286=約200万円が減価償却費となります。
2年目は取得価額700万円から約200万円を差し引いた約500万円に償却率を掛けて、減価償却費を算出します。
以降5年間、未償却残高に対して、規定の償却率を掛けていきます。

 

 

7, 減価償却の計算のポイント

減価償却を計算する際のポイントとして「取得原価」「耐用年数」「残存価額」があります。

取得原価

取得原価とは、減価償却の対象となる固定資産を取得した時点の資産価額です。
取得原価は、購入金額だけでなく、購入するための費用である引取運賃、荷役費、購入手数料なども含まれます。

 

耐用年数

耐用年数は、減価償却の対象となる資産が使用に耐えうると想定される年数のことです。
個々の資産の償却期間を個別に判定するのは不可能なので、耐用年数は法律で決まっています。
建物は11~50年、車両は10年前後、工具は2~8年、机は8~15年、椅子は5~15年となっています。
原則的には、形のある固定資産であれば減価償却の対象となりますが、時間が経っても価値が変わらない「非償却資産」と呼ばれる固定資産もあります。
非償却資産に該当するのは、土地、骨董品、書画などです。

 

残存価額

残存価額とは、減価償却の対象となる固定資産の処分価格です。
ただし、どの時期に処分されるのか、事前に把握することはできないので、税法上のルールが決められています。
2007年4月1日以降に取得した減価償却資産は、1円を残して償却できるようになっています。
100万円の減価償却資産なら、99万9999円まで減価償却できます。
この1円は備忘価額となり、減価償却資産があったことを忘れないようにするためのものです。
備忘価額の1円がなくなるのは、減価償却資産が廃棄されたり売却されたりしたときです。


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